第肆話:_音奴さん ページ9
眠っているその人が着ているのは音奴さんの着物。
音奴さんに借りたのだろうか?
見れば見るほど顔立ちの整った男性にしか見えない。
音奴さんとは毎日顔を合わせているのだから間違うわけがない。
では、この人は一体誰なのか。
『……』
起こすべきか否か。
私は頭を抱える。
そもそも、置屋に男性は入れなかったはず……なんてことを思いながらぼんやりと眠る男性を見つめる。
この人はなぜこの部屋にいるのだろうか。音奴さんが招き入れたとしたら、音奴さんが部屋にいないのはおかしい。
しばらくの間眠っている男性と、布団を見つめる。
ふと、布団に何かが置いてあることに気づいた。茶色い髪の塊。
それを見てある1つの可能性にたどり着く。
まさか。
そう思うものの、以前から音奴さん背が高いな、体格いいなぁとは思っていたので、納得できる部分もあった。
このままでは拉致があかない。
悩んだ挙句、取り敢えずこの眠っている男性に声をかけてみた。
『……お、おはようございます』
「……ぁあ?」
『あ、えと、その、おはようございます……お、音奴さん?』
目を覚ました男性は大きくあくびをすると目をゴシゴシと擦る。
「……あ」
『……』
しばしの沈黙。
音奴さんは自分の姿を見て目を数回瞬いたのち、大きなため息をついた。
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小崎相良(プロフ) - 閃光のまりあんぬさん» コメントありがとうございます!不定期な更新ですみません(>_<)藤田さんカッコいいですよね!少し不器用な優しさにキュンときます(o´艸`) (2020年2月20日 9時) (レス) id: b334f4b37a (このIDを非表示/違反報告)
閃光のまりあんぬ - とっても面白いです!! 更新頑張ってください! 楽しみにしてます☆ ちなみに私は藤田さんファンです…! (2020年2月19日 23時) (レス) id: 68c769878e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2019年8月13日 19時