第廿壱話＿再会 ページ26
『いえ、私はお酌として働いているので芸者ではありませんけど……そこまでしてもらうなんて……本当に良いのですか？』
「いいってことよ！お嬢ちゃん名前は？」
『Aと言います』
「Aだな、よし。覚えとくぜ！じゃあな！」
『ありがとうございます！って、あの！あなたのお名前はっ……行っちゃった……』
思いもよらぬ協力者が現れた。名前がわからなかったが顔は覚えたし、次もし見かけたら聞くことにしよう。
そう思い、人探しを再会しようと辺りを見回す。すると、離れたところに見知った人影を見かけた。
その人は此方に向かって歩いてくる。
あの長い髪とサーベルは覚えていた。以前情報集めに協力してくれた藤田さんだ。
『こんにちは、藤田さん！』
藤田さんが私の声に歩みを止め、こちらへと振り向く。
「……何か用か？」
『先日はご迷惑をおかけしました。お見舞いに来てくださったんですよね？』
「……成り行きで行っただけだ。小泉が可笑しな見舞いを持って行こうとしていたのでな」
少し照れ臭そうに目線を伏せて言う藤田さん。
まだ数日、少しの時間の関わりしかしていないが、私はこの人は不器用な人だと思う。優しくて真っ直ぐで志に忠実。きっと自分にも相手にも真っ直ぐに向き合う人なのだ。だからこそ、初めは怖い印象も受けたけれど、今はそうは思わない。
寧ろ、とても心優しい人だと思う。
あの日、自分のことを考えて八雲さんに助言をし、流される形ではあっても、お見舞いに来てくれた。その事実がとても嬉しい。
『成り行きでも嬉しかったです。ありがとうございました』
そう言ってしっかりと気持ちを込めてお辞儀をする。
私の言葉を聞いた藤田さんから、小さく息を吸う音が聞こえた。顔を上げると、藤田さんの少しキョトンとした表情が見える。
「……そうか」
その声は柔らかくて温かい。
『はい！』
私は気持ちに応えるように笑顔で返事をした。
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小崎相良(プロフ) - 閃光のまりあんぬさん» コメントありがとうございます！不定期な更新ですみません(>_<)藤田さんカッコいいですよね！少し不器用な優しさにキュンときます(o´艸`) (2020年2月20日 9時) (
レス) id: b334f4b37a (このIDを非表示/違反報告)
閃光のまりあんぬ - とっても面白いです！！ 更新頑張ってください！ 楽しみにしてます☆ ちなみに私は藤田さんファンです…！ (2020年2月19日 23時) (レス) id: 68c769878e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年8月13日 19時
