第卌弐話_異変 ページ45
馬鹿と天才は紙一重などと言うが、その通りな気がする。
新しい斬新な着目をするためには人とは違った視点を持つ必要があるのかもしれない。
電気の通っていないこの時代に電気について考えているだけでも驚きなのに、投資家の片手間に研究しているとは。
私たち現代人にとって欠かせない電気は、明治では当たり前のものではない。
未来を見据えている視野の広さに驚く。
「Aさんは休日は何を?」
『友人の家に遊びに行ったり、買い物に出かけますね』
元の現代ではそうしていた。明治ではナイルさん探しに出掛けているばかりだ。しかし今までの経験からそのことに触れると、面倒な展開に進んでいくことがわかっている為、あえて伏せる。
岩崎さんはクスクスと上品に笑っていた。
『岩崎さんはお買い物とかされないんですか?』
「勿論しますよ、個人的な買い物では食べ物が多いですね。味を比べることもあります」
『……オススメは、ありますか?』
首を傾げると顎に手を当て、うーんと考え出した岩崎さん。そして少し眉間にしわを寄せた。
ちらりとお猪口を覗くが、酒が空になったわけではない。なんだろう?
「おすすめはチョコレエトですが……あのAさん?」
『はい?』
「大丈夫ですか?」
岩崎さんが何を伝えたいのかさっぱりわからない。
「先日よりも顔色が悪い気がしますが」
『そうでしょうか?……大丈夫だと……思いますけど』
「………失礼」
腕がスッと伸びて額に触れる。
岩崎さんの掌は冷たくて気持ちが良い。なんだか気恥ずかしくなり、俯くと「ここにいて下さい」の一言。
部屋を出た岩崎さんは数分後、鴎外さんを連れて帰ってきた。
「お待たせしました」
「こんばんは、Aちゃん。数日ぶりだね」
『森さん……?こんばんは。いらしてたんですね』
「今日は留学仲間の旧友と飲み会をしていたのだよ。それはさておき、Aちゃん少し触れるよ」
『……はい?』
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小崎相良(プロフ) - あららさん» コメントありがとうございます!私も芽衣ちゃん好きです!こちらこそ、これからも宜しくお願いします! (2019年6月30日 20時) (レス) id: bb37bfea9e (このIDを非表示/違反報告)
あらら - めちゃくちゃ面白いです!めいちゃん好きなんで話に出てきて嬉しいです!これからも更新を楽しみに待ってます! (2019年6月29日 23時) (レス) id: 3866ce7f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2019年6月15日 0時