第36話:1-A ページ41
中からざわざわと会話をする声がする。
「ここで待っててくれ」
そう言って相澤先生は扉を開け、中に入っていった。
「お早う」
「「「相澤先生復帰早えええ‼‼」」」
ドア越しに賑やかな声が聞こえてくる。
明るい声だ。
このクラスでやっていけるのか、このクラスに受け入れてもらえるのか。
これからに不安を感じ、思わず眉を寄せた。
そんな事はおかまいなしに、中では明るい1-Aの生徒達のが聞こえる。
「先生無事だったのですね‼」
「俺の安否はどうでも良い。それよりお前ら、編入生だ」
「「「編入生⁈」」」
「A、入れ」
相澤先生に呼ばれて中に入る。
教室に居る生徒たちの視線が相澤先生から移り、こちらへと集まる。
…視線が怖くてとっさに俯いた。
「Aだ。今日からクラスメイトになる。お前らの経験したUSJでの襲撃で敵側にいた。ので、事情も全て話しておく。心して聞くように」
「「「………」」」
「A、身の上を全て話す。いいな?」
『……』
相澤先生の言葉に頷く。
「Aは一年以上前に敵連合とは別の敵に捕まったらしい。そこで首輪を付けられて、1日パン二枚と水のみの食事で約一年を過ごす。狙われた理由は“増やす個性”だった事だ。その後、敵の親玉と今回のUSJ で主犯だった男の交渉で、敵連合へ移動。敵連合で約ひと月を過ごしたのち、先日のUSJ 事件へと参加。怪我をしていた所を発見され、保護に至る。」
「「「…………」」」
教室が静まる。
当然だ。聞いていて気持ちのいい話ではない。
先ほどまで明るかった教室の雰囲気が静まり返った。
相澤先生は気にすることなく、話を続ける。
「過度のストレスを受けたことが原因で、声帯に損傷はないが声が出せない。それに加えて、少々人間不信気味だ。まあ、あれだ、仲良くするように」
「「「……はい!」」」
『……っ』
声の大きさに気圧される。
……大丈夫、大丈夫。
「それとA、お前の席はあそこだ。八百万の後ろに空いている席あるだろ、座ってこい」
相澤先生の言葉にこくりと頷き、席へと進む。
まわりから視線が集まるのが気不味くて、早足になる。
……座ってからも視線を感じた。
「お前ら気にし過ぎだ。普通にしてろ。……何より戦いは終わってねぇ」
「戦い?」
「まさか……」
「また敵がーー⁉」
『……⁉』
「雄英体育祭が迫ってる!」
「「「クソ学校っぽいの来たあああ‼」」」
『……!(体育祭……!)』
.
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時