【ヒロアカ】ここにいる理由

Another:オールマイト ページ36

保健室で緑谷少年と談笑していると、ガラリと扉の開く音がした。


「校長先生？」

「根津校長！どうされましたか？」

「君に朗報を持ってきたよ！」

「……朗報とは？」


そういって首を傾げる。すると、根津校長はフフフ♪と笑った。
とても嬉しそうな様子に訳がわからず、緑谷少年と顔を見合わせる。


「実は、さっきUSJに現れた敵達の連れてた子がいてね、その子の個性が“増やす”なんだよ。そして、“増やす個性”の力が“個性”にも及ぶ！この意味、わかるよね！」

「それは、わかりますが……」

「まだ試していないから本当なのかはわからないけど、君の力になれる個性の持ち主だと思うんだ。塚内警部と話し合って、できそうなら雄英で預かろうと思うんだけど……君はどう思う？」


増やすことができるなら、当然敵側も同じ。味方の戦力としている分には、とてもありがたい個性だ。
私自身の活動の助けにもなるかもしれないとのことならので、尚更だった。

少なくとも、居たのが敵側で信用していいかどうか不安という点以外は、表立って不利益となる点が見つからない。


「警戒は必要ですが、預かっても良いと思います。寧ろ、預かるべきです。ここ(雄英)なら敵に能力目的で奪われることもないでしょう。敵側に渡ってしまう方が厄介だと思います。」

「だよね！よかった！じゃあ、もし、個性の増幅が有用だったら、君に預けるから宜しくね！じゃ‼‼」

「え？ちょ、ま……」


そう言うと、根津校長は部屋を出て行ってしまった。


「オールマイト……？」

「緑谷少年……まあ、大丈夫！」


どんな子なのかわからないが、
もしもの時のために、
部屋の掃除をしておかないとなと思った。



.

第32話:把握テスト→←第31話:ボールペン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す