【ヒロアカ】ここにいる理由

第18話:娯楽 ページ20

死柄木さんは以前約束した通り、“自分が食べる食事と同じもの”を用意してくれた。
今までパンで生活していたので、様々な味がとても新鮮だった。


基本的に黒霧さんと死柄木さんは2人で出かけていく。
お頭を誘いに来た時のように、仲間集めをしているらしい。この仲間集めは先生と呼ばれる人の指示だと教えてくれた。

まぁ、従うだけなのであまり関係ないけども。


最初のうちは彼らの存在が怖かったが、特に何かを要求されることもなく、比較的自由に過ごせている。首輪と鎖は外してもらえなかったが、手首の手錠は無くなった。

今までとは違い、鎖が壁に繋がれることはなく、バーの中であれば自由に動き回らことが出来た。いわゆる軟禁というやつだ。


バーというだけあって、雑誌や本が常備されていたし、テーブルゲームなどの娯楽用玩具もあった。
声が戻ることはなかったが、ここでの生活は少しだけ楽しめるようになってきた気がする。


普段は1人で遊んでいるが稀に気が向くと、死柄木さんがトランプの相手をしてくれる。
正直いうと、死柄木さんはものすごく強い。年下に容赦なく心理戦を仕掛けてきたり、騙してきたりする。……黒霧さん曰く、大人げないイカサマもしているとか。

誰かと遊ぶことは楽しかった。

勝つことほとんどないし、イカサマされて負けてばかりだけど。
因みに、黒霧さんは横で保護者のように見守っていて混ざることはない。混ざることはなかったが、コソッとアドバイスくれた。






死柄木さんの所に来てひと月ほどたった頃、死柄木さんに明日が実行日だと告げられた。

黒霧さんからは心の準備をしておくようにと。


最初は実行日がなんのことかわからなかったが、考えて思い当たったのは１つだった。


以前言っていた、









“オールマイトを殺すこと”









だと。





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