検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:285,864 hit

第14話:条件 ページ16

頬を突くことの何が楽しいのかはよくわからない。
よくわからないが、手だらけの男は何か思うところがあるようだった。突く手を止めて、くるりと方向を変えてお頭の方を向く。


「なぁ、コイツくれないか?」

『?!』

「あ"ぁ?何言ってやがる……テメェにやって俺たちに何のメリットがあんだよ?」

「あ"ーないね、ないよ」

「だろう?じゃあやれねぇなぁ」

「どうしても?」

「どうしてもだな。言っただろう?俺たちの力の源なんだよ」

「ふうん……よし、決めた。あんたらはいらない」

「はぁ?」

「コイツくれないならあんた達はいらない。なぁ、ちっこいの、俺に力貸してくれよ。コイツらから解放してやる。俺の『個性』の崩壊の範囲、増やしてくれ」

『………』

「……」


ここの奴らからの解放は嬉しい。魅力的な条件ではある。ただ、この男がもし食べ物をくれなかったり、ここの奴らよりも暴力的だったらもう身が持たない。そもそも現時点で栄養が足りてないのだから、きっと耐えられない。先が見えないのにホイホイと従うことはしたくない。出来ない。
親切心で行った行為がこの結末へと繋がって、現在のこの状況なのだから。
男は首をポリポリと数回かくと「あー、そうか」と呟いた。


「初対面だもんなぁ……警戒するよなぁ……」

「テメェみたいなよくわからないやつに手を貸すほど、コイツはバカじゃねぇよ」

「……馬鹿はあんただ。手を貸すことじゃなくて、その先のことを思案してるんだろ……」

『!』

「俺に手を貸した後のことを。」

『……』

「なら、あんたに三食、俺が食うものと同じものを与えてやる……!」

『!』


そう言って手だらけの男は手を差し出してきた。

第15話:選択→←第13話:勧誘



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (176 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
設定タグ:ヒロアカ , トリップ , 僕のヒーローアカデミア   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
- 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。