第14話:条件 ページ16
頬を突くことの何が楽しいのかはよくわからない。
よくわからないが、手だらけの男は何か思うところがあるようだった。突く手を止めて、くるりと方向を変えてお頭の方を向く。
「なぁ、コイツくれないか?」
『?!』
「あ"ぁ?何言ってやがる……テメェにやって俺たちに何のメリットがあんだよ?」
「あ"ーないね、ないよ」
「だろう?じゃあやれねぇなぁ」
「どうしても?」
「どうしてもだな。言っただろう?俺たちの力の源なんだよ」
「ふうん……よし、決めた。あんたらはいらない」
「はぁ?」
「コイツくれないならあんた達はいらない。なぁ、ちっこいの、俺に力貸してくれよ。コイツらから解放してやる。俺の『個性』の崩壊の範囲、増やしてくれ」
『………』
「……」
ここの奴らからの解放は嬉しい。魅力的な条件ではある。ただ、この男がもし食べ物をくれなかったり、ここの奴らよりも暴力的だったらもう身が持たない。そもそも現時点で栄養が足りてないのだから、きっと耐えられない。先が見えないのにホイホイと従うことはしたくない。出来ない。
親切心で行った行為がこの結末へと繋がって、現在のこの状況なのだから。
男は首をポリポリと数回かくと「あー、そうか」と呟いた。
「初対面だもんなぁ……警戒するよなぁ……」
「テメェみたいなよくわからないやつに手を貸すほど、コイツはバカじゃねぇよ」
「……馬鹿はあんただ。手を貸すことじゃなくて、その先のことを思案してるんだろ……」
『!』
「俺に手を貸した後のことを。」
『……』
「なら、あんたに三食、俺が食うものと同じものを与えてやる……!」
『!』
そう言って手だらけの男は手を差し出してきた。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時