第13話:勧誘 ページ15
そんなある日、見たことのない男がアジトを訪ねてきた。
顔や体に手を貼り付けた男だった。
彼はお頭に「オールマイトを殺しに行く」と言った。「その為に敵連合の仲間を集っている」「手を組まないか」と。
オールマイトはおじいさんおばあさんと暮らしていた時に、テレビで見た事があった。確か、この世界の平和の象徴であり、No. 1ヒーローだったっけ?
彼に憧れヒーローを志す者も多いとか。話によると彼が務めている学校?に乗り込むつもりらしい。大規模な計画立ててるなぁ。
『……』
お頭は手だらけの男と手を組むことにしたらしい。その際自分のことが話題になったようで、2人がこちらに歩いてきた。
「コイツは俺らの力の源よ!」
「……こんなチビが?」
「がはは!何も出来ねぇポンコツは、俺の組にはいねぇ!田舎の村で見つけたんだがな、コイツの『個性』は『増やす』だ!」
「……増やす?」
「おうよ!命ある物以外ならなんだって増やせる!個性の幅もだ!その源になるのは水分!しっかり水をあたえりゃあいいのさ。パンも1日2回しか渡してないが、自分で『増やす』ことができるからな…多量にやる必要はない。コピーするんじゃねぇ!質量ごとそのものの個体数を増やせる!それに『増やす』力は『個性』にも及ぶのさ!」
「……『個性』も『増やす』のか」
「おぅ!増やせるぜ!力の及ぶ範囲やスピード、キャパを『増やす』のさ。いい力だろ?」
「それは便利だな」
そういうと、手の男はゆっくりと距離を詰めてきた。
反射的に体を部屋の隅に寄せる。首輪は柱と鎖で繋がれているので逃げることは許されない。
小さな心ばかりの拒絶。
『……!』
「なんだ、おい、喋れないのか?」
「いや、前は喋ってたんだが喋らなくなったんだよ。多分ストレスだな!まぁ、喋らない方が都合がいいからなぁ」
「ふーん……」
そう言うと、手の男は頬をつんつんと突いた。初めはビクッと体を震わせてしまったがそれ以上は何もなくつんつん、つんつんと頬で遊んでいる。
そんな彼の姿に恐怖心は少し和らぎ、されるがまま突かれていた。この男は何がしたいのだろう……頬を突くのは楽しいのか?まぁ、痛くされるよりは全然いいが。
つんつんと頬を突く男をじっと見つめる。
「ふにふに」
『……?』
「いいな、お前」
頬がか?頬の感触がいいとかそう言うことか?まぁ嫌な気はしないが。
コテっと首をかしげると、男は「はは」と笑う。そして口角をニヤリとあげた。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時