月は姿を変える。 ページ10
「誘い込みルートはわかった。私とアルマはリヴァイ班と合流してエレンを死守。そして地点に到達したらどうしたらいいの？」
レオナはルートにいろいろ書き込みながら言う。
「そのまま私のところに来てくれ。その後の説明はレイエスに頼んである。」
「一応、極秘会議で説明するが、お前たちにおとりになってもらった後にエルヴィンの指示で対特定目標拘束兵器をぶっぱなす。」
レイエスは資料を配った。そこには丁寧な絵と文字が並べられている。
「外見は荷馬車となんら変わりねぇ。が。樽に詰めたワイヤーつきの鉛を四方八方から射出して目標の関節を固める。さらに関節に撃ち込んで運動を封じる拘束用ニードル射出機でさらに拘束するのさ。」
「なるほど、巨人の皮膚回復能力を使った方法ってことね。」
「そういうことだ。」
アルマが落書きしているのは置いておいて、長年のその開発部の画期的な機器に期待をはせるレオナだった。
･･･それからというもの、レイエスは流石レオナの父親なだけあって立体起動はすぐに覚え、
巨人を狩る事は出来なくても信煙弾の色も覚え、乗馬もお手の物だった。勿論指導はリヴァイ。
レオナは陣形の組みなおしに追われ、アルマは迫り来る壁外遠征の恐怖に立ち向かう新兵を指導する任務があったのだ。
外出禁止の時刻を知らせるチャイムが鳴り、リヴァイとレイエスは古城と兵舎へ戻ることにした。
「壁外は初めてだ。」
ふと月明かりをじっと見つめるレイエス。その目は恐怖を少し孕み、月を映した。
「壁外も悪くねぇ。巨人さえいなければの話だが。」
リヴァイも月を眺む。今日は満月で星も綺麗に無数に広がっている。
「もし俺が死んでも、娘を。レオナを頼むぞ。」
「あたりまえだ。」
リヴァイはレイエスの顔をじっとみつめた。
「それは心強いね。この満月に誓うか？」
「月は姿形もろとも変わるだろうが。」
「そう、だな。」
レイエスはふと笑うと、リヴァイも鼻を鳴らし笑った。
兵舎に着き、レイエスが手を上げリヴァイと解散し兵舎へ向かう。そのとき、リヴァイは口を開いた。
「レイエス。」
レイエスはこちらを向かずに立ち止まる。
「もし壁外でレオナがどんな選択をしようと、絶望するんじゃねぇぞ。」
レイエスは後ろを向いたまま手を振り歩いていった。
(月は姿を変える、その誓う愛も姿を変えぬことを誓う。)
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
