真実を抹消する覚悟。 ページ20
レオナは苦笑いしながらリヴァイを見た。リヴァイは何かを悟ったかのように新しい刃を取り出した。全方位から巨人の足音が無数にこだましてくる。
「おいおいおいおい。」
アルマも新しい刃を取り出す。
「荷馬車護衛班、迎え撃って！」
レオナの指示で巨人を誘導しようと班が動くが見向きもしない。
「オイお前、さっきなんかしやがったな。」
リヴァイが女型の頭をげしげしと蹴るが、身動きもせずに女型は立ち尽くす。
「エルヴィン！」
レオナはエルヴィンのほうへと向かう。
「エレンが始めて巨人化したときと一緒！人間として認識してる。巨人たちは女型にしか目が行ってない。」
エルヴィンも同じ考えのようで、深く頷くと、すぐに指示をだした。
「全員、女型の巨人を護衛せよ！」
群がる巨人に一斉に調査兵は切りかかった。
「お父さん、下がっててね。」
すでにあがり始めている蒸気の中にレオナは飛び込んでいった。
食われることが一番現状で駄目だと判断し、巨人の頬の筋肉や、直接うなじ、目を狙い、全ての刃とガスを消費してもいいと思いながら最大限まで討伐していく。だが、いくら倒しても次から次に森からこちらへきては女型へ飛びつく。
「はい、お疲れ！」
レオナは刃を取り替えながら汗を拭く。蒸気でだいぶ蒸され、背中にさえ汗が伝っていく。
「こりゃ、かえってシャワーだな。」
またレオナが切りかかろうとした瞬間だった。
「全員撤退！これよりカラネス区へ帰還する。」
エルヴィンの指示で一斉に調査兵たちは上のほうに上がっていった。レオナはエルヴィンとレイエスが居る方へ向かう。
「おい、あれほど審議所で啖呵切ってこれだと、エレンも俺たちもどうなるかわからねぇぞ。」
リヴァイも返り血や汗を拭いながらエルヴィンに詰め寄る。
「相手には、全てを身を捧げてでも真実を抹消する覚悟があったんだろうね。」
レオナがふと力抜けたように座った。そして食われていく巨人と蒸気を見送りながら、その心身の疲労を感じる。アレだけの人間を犠牲にして、これだ。レオナには気が重く、大きくため息をついた。
「･･･っ！」
ふと向こう側を見つめたときだ。何か人影が見える。調査兵は上のほうに上がっているためあの方向に人影が見えることに違和感を覚えた。
「リヴァイ、アルマ。2人はガスと刃を補充して。私はリヴァイ班と合流する。」
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小西 利音(プロフ) - ナルさん» コメントありがとうございます！ミルミハになってました？！すみません指摘ありがとうございます (2019年7月3日 2時) (
レス) id: 0660aea05f (このIDを非表示/違反報告)
ナル - すごく面白かったです！！更新頑張って下さいあと、ミルミハ区ではなく、エルミハ区ですよ!! (2019年6月21日 17時) (レス) id: 4a1c354212 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小西利音 | 作成日時：2017年4月11日 12時
