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《俺》 ページ47

涼介side




そいつは呑気に手なんか上げてやがる


...子供のくせに...


いや、俺か←


こいつは俺だ


でも自分で言うのもなんだけど俺もうちょっと幼少期は可愛かったぞ?←


俺が小さい頃の体と、今の俺の性格が移ったのか?


いやいやそんな人聞きの悪い...


...まぁいっか、これはこれで


それはそうと...


涼介「...なんでここにいるんだ?」


「なんでって...夢の中なんだから俺がいて当然だろ?」


淡々とそいつはそう言った


涼介「いや、そうじゃなくて...って。」


バッと後ろを振り向くとそこには誰もいないし、誰の声も聞こえない


涼介「はぁー...お前景色まで作れんのかよ。 」


「...ここキレーだなぁ...」


そいつは俺の言葉なんか聞こえてないみたいに後ろを向いて、夕日を眺めた


涼介「おいおい、無視すんな。あと自画自賛してんじゃねーよ。てかお前どこいってたんだよ。寝ても全然出てこねぇーし、なんか穴みたいなんに落とされるし...あれ結構痛かったんだからな?」


「んあー、悪ぃ悪ぃ。ちょっと...ね。」


顔は見えないけど、そいつの背中はすごく悲しそう


それこそ...このまま消えてしまいそうなほど


「あのさ...」


涼介「そ、そーいえば!今日みんなであの女?を探そうってなって来たんだよね!なのにみんな遊び始めちゃってさぁ〜、もう大変だったよー!」


...その一歩先の、次の声を、言葉を聞くのが怖くなって必死に話を逸らせた


でもそいつにはやっぱり通じなかった


涼介「それでさぁ〜...」


「山田涼介。頼むから俺の話を聞いてくれ。」


そいつは振り返らずにそういった


顔は見えないのに雰囲気は真剣そのもの


結局


涼介「...わかった。」


俺が折れた


そいつはその場にドサッと座り込んだ


「ふー...どこから話そうかな...あ、座って座って。」


そいつがポンポンと隣を指す


仕方なくそこに座った

最後の時→←満潮と片割れ時



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作者名:有谷 彩涼 | 作成日時:2019年6月21日 20時

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