名取の隠し事《完結》 (ページ42)

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藍沢side

もっとはやく動けよ俺の足...！！！

人生で初めてそんなことを思いながら走った

藍沢「はぁっ、はぁっ、名取！！」

デスクのある部屋のドアを思いっきり開けると何故かみんな集まっていて、でも...

藍沢「...おい、名取はどこにいる。」

緋山「...さぁ？さっき走ってでてったよ。」

緋山の方を見ると、口をとがらせてる

『私は悪くない』

そう思ってる時の顔だ

藍沢「お前...」

俺は緋山に詰め寄った

緋山「だ、だってあいつが悪いのよ？昨日灰谷が熱出して倒れたのに知らんぷりして勝手に帰って...」

ナース1「...だからちょっとちょっかいだしたというか...で、でも！！元はと言えばいつも頑張ってる灰谷先生が辛そうなのに、名取先生がやる気なさそーにしてるから悪いんです！」

横峯「そうですよ！！だいたい名取先生が...」

ガヤガヤとみんながここにいない名取の悪口を言っていく

...五月蝿い

藍沢「お前らいい加減にしろ！！」

俺のその言葉にみんなの動きがピタリと止まった

藍沢「...はぁ...聞いて呆れる。お前ら名取のこと本当に気がついてないのか？前のことがあってから多少は気遣いできる連中なのかと見直したのにそれは嘘だったってことか。」

白石「で、でもね？藍沢先生...名取先生がやる気無さすぎなのは確かよ？藍沢先生ことわかってないんじゃないのかな？そんなんで人のこと言えるの？」

藍沢「白石、お前も変わったな。この期に及んで俺の悪口までいうか。確かに俺はしっかり名取を見てやれてなかった。でも俺は悪い所を見れてなかったんじゃない。あいつのSOSに気がついてやれなかった。」

横峯「...どういうことですか？」

藍沢「...あいつは多分また無理してる。」

緋山「え、また暴力うけてんの！？」

藍沢「名取＝暴力に持っていくな。あいつが不憫だ。」

白石「じゃあどういうこと？」

藍沢「...体調崩してるのは灰谷だけじゃないってことだ。」

俺はまたいつもの場所に向けて走り出した