薬師と医者の血 ページ46
Aside
ロボロさんに案内され、黄色いプレートのかかった扉の前へとやってきた。
コンコン
rb「シャオロン?入んで」
ロボロさんが扉を開け、中へ通される。
部屋の隅に置かれたベッドの上に、苦しそうに呼吸する茶髪の男性が横たわっていた。
『この方ですか?』
rb「せや。
………あのさ、」
『なに…?』
rb「さっき助けんと見とった癖にこんなこと言うのもあれなんやけどな、」
自分の手を強く握って俯きがちに言葉を紡ぐロボロさん。
rb「シャオロンのこと、助けてやぁ……っ」
縋るような大きな桃の目に、涙を溜めて話す彼。よほど心配なのだろう。
『心配しなくても平気よ。製薬には自信があるの。』
開け放したドアの方から視線を感じる。
…倒れている彼はとても大事に思われてるのね。
『えーと、シャオロンさん?目を開けられる?』
sha「ん゛、なんや、お前……」
かすれた声でそうつぶやき、黄金色の目が細く開かれ、こちらを見る。
しかしその目の焦点はあっておらず、色もにごっている。
『ちょっと失礼』
…熱がある。彼の胸に耳を当てると、肺炎になる1歩手前のようだった。
心臓の音も早く、顔色も悪い。
3ヶ月もこの状態なんだとすれば相当辛いはずだ。
『…ロボロさん私のカバンとぬるま湯を持ってきて欲しいんだけど。』
rb「カバン?どんなやつや?」
『んーと…』
syp「俺が取りに行きます。」
『!ショッピくんありがとう、お願い急いで』
syp「はい、」
rb「薬、持ってきてるんか?」
『えぇ…不安でね。』
『ただ、量が足りるか分からない…』
3ヶ月となるとさすがに症状が進んでいる。
持ってきた少量の薬では足りるとは思えなかった。
でも、今より少しは楽になるだろう。
肺炎になるよりマシだ。
『シャオロンさん、体少し起こせるかしら。ほんのちょっとでいいから』
彼の体を支えて起こす。だが、本人はあんまりに力が入らないらしく上手く起き上がれないようだった。
すると、ロボロさんがすかさずやってきて私の代わりにシャオロンの体を起こしてくれた。
そして、早くもショッピくが私のカバンとぬるま湯を手に部屋に帰ってきた。
ショッピくんから物を受け取り、薬を取り出す。
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暁郗 - え?駄作とは??え??神作の間違いでは???? (2020年11月19日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とってもええお話やん(_><_) 続き楽しみしとこ♪ 応援してます!これからも頑張え!!!! (2020年10月1日 16時) (レス) id: 565863c7d8 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 椋。-ryou-さん» コメントありがとうございます!!泣いて欲しい話として書いたので、とても嬉しいです。これ以上の褒め言葉はありません…!!更新頑張ります! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
椋。-ryou-(プロフ) - ものすごく感動しています。特に「悲恋哀歌」は何度見ても涙が出ます。更新大変かもしれませんが、これからも応援しています。 (2020年9月12日 13時) (レス) id: 8b6ca01e67 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - ソノさん» 頑張ります〜!!コメントありがとうございます!!続編も誠心誠意執筆していきますのでぜひ...!! (2020年9月7日 21時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リズ | 作成日時:2020年8月9日 12時