検索窓
今日:2 hit、昨日:81 hit、合計:542,525 hit

-3 ページ40

syp side

『ーーーーーー"1人で"。』

そう言って目を伏せる彼女。

その真っ白な体がAが消えてしまうような気がして、もう一度抱きしめようとするが
それを彼女の手が止める。


『ショッピくんが街で色んなところに連れていって、手を引いてくれて嬉しかった。』

『普通の人に混じって、服を買ったり、ショーを見て笑ったり、飴細工を食べたり…普通の人みたいなことをして…。』

『初めて何でもない日にプレゼントを貰ったり……まるで、"普通の人間"になったみたいだった。』


そう言って穏やかに微笑むAの目には涙が溜まっている。




syp「Aは普通ですよ…、化け物なんかじゃないです。他の人よりもよっぽど普通の人間です。」

そう言う俺の声も震える。視界が少し滲んでいた。



『違う……違うのよ…!』

顔を歪めて、Aが泣き出す。


『だって、、だってさ。私がもし、

"普通の人間"なら!


こんなことにはなってないでしょう……?』


涙をボロボロ落とすA
その後、口に手を当てて肩を上下させ、彼女はしばらく泣いていた。


何も言えなかった。
ただただ、不甲斐なさに自分の目からも涙が零れ落ちる。



『ショッピくん、お願い泣かないで。私のことなんかで泣かないで…』

震える指で涙を拭ってくれるA

syp「自分なんかって、そんなこと言わんとってください…」

彼女は先程と同じように手で止めてきたが、構わず抱きしめる。

やっぱりAは抱きしめ返してくれなかった。
ただ腕の中で虚空を見つめながら涙を流している。
その目が全てを諦めたように濁っているのを見て、切なく思った。


不意に彼女がまた、口を開く。


『ごめんね、ショッピくんの仲間を混乱させてしまって。私のせいでしょ?ショッピくんのこと押さえてた人とかのこと責めないであげてね。』

syp「A…」


『それと、ありがとう。私のこと普通の人間として扱ってくれて。
3ヶ月間、本当に夢みたいだった…。
ショッピくん、ありがとう』


俺に少し寄りかかり、涙を流したままの目で俺の方をしっかりと見つめてそういったA。






涙を拭ってやることも出来ず、ただ彼女の名前を呼んで抱きしめることしか出来なかった




ーーーーーーーーーー
No side


os「俺ら…出ていこか」

オスマンが小声でそう言い、皆それに従う。


何とも言えない空気が流れていた。

悲恋哀歌→←-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (399 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
974人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 軍パロ , 我々だ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

暁郗 - え?駄作とは??え??神作の間違いでは???? (2020年11月19日 20時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とってもええお話やん(_><_) 続き楽しみしとこ♪ 応援してます!これからも頑張え!!!! (2020年10月1日 16時) (レス) id: 565863c7d8 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - 椋。-ryou-さん» コメントありがとうございます!!泣いて欲しい話として書いたので、とても嬉しいです。これ以上の褒め言葉はありません…!!更新頑張ります! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)
椋。-ryou-(プロフ) - ものすごく感動しています。特に「悲恋哀歌」は何度見ても涙が出ます。更新大変かもしれませんが、これからも応援しています。 (2020年9月12日 13時) (レス) id: 8b6ca01e67 (このIDを非表示/違反報告)
リズ(プロフ) - ソノさん» 頑張ります〜!!コメントありがとうございます!!続編も誠心誠意執筆していきますのでぜひ...!! (2020年9月7日 21時) (レス) id: 294441511f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リズ | 作成日時:2020年8月9日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。