【wrwrd】君は愛しい妾の子【kn】

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家に着くと、玄関にお父さんの革靴が置いてあって
珍しく早く帰ってきたようだった



もしかして誕生日を覚えてくれていたのか…？なんて、少しの期待を持ちながらリビングへと急ぐ




「……おん、ほんまにな。………せやねん」




リビングの扉を開こうとした時、電話中なのか中から話し声が聞こえてきた
思わずピタリと動きを止め、駄目な事だとわかっていながらも聞き耳を立てる




「あいつもはよ自立してほしいんやけどなぁ……。…大先生に頼んで勝手に高校なんか行くし。…」




どうやら私の話をしているらしい。
そうなってくると余計に気になってしまうもので、物音を立てないよう気を張り詰めて扉に耳を押し当てた




「……分かっとるで、それはちゃんとせな………、うーん…………」




珍しく何か悩んでいる様子のお父さん
流石に電話相手の声までは聞こえないため、何に悩んでいるのかまでは分からなかった




「一応それはできそうやけど………。………せやなぁ、そこが問題で。………もうあんま時間ないし」

「……せやな、それは言うけど………おん。」

「………分かったわ」




それじゃあな、と言う声が聞こえてきて慌ててその場から立ち去ろうとする



盗み聞きしてたのがバレると怒られるどころじゃ済まない…と、部屋に戻ろうとした時



聞きたく無かった言葉が、耳に入ってきてしまった








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「……なんで育てとるんかって………、出来てしまったもん、しゃーないやん。」

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