【wrwrd】君は愛しい妾の子【kn】

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「ん、このケーキ美味いやん。スポンジふっわふわ」

「あ、ほんとだ。ふわふわ、どこのケーキなんですか？」

「駅前の辺りやったかなぁ」




3人でホールケーキをいただき、鬱さんが買ってきた炭酸飲料をグビグビ飲む
普段ケーキなんて食べる機会がない為、ここで沢山食わねば…と次々とふわふわのいちごケーキを頬張った




「そういえば、結局A進路どうするん。大学行くんか？」

「…あー、機会を見てお父さん説得してるんだけど中々…。」

「シッマ強情やからなぁ…。すまんな、さすがに僕も入学金までは払ってあげられへんわ」

「いやいや、鬱さんには本当にお世話になってばかりで…。」




お父さんに「大学に行きたい」と告げてから4ヶ月、未だに粘ってはいるが首を縦には振ってくれない
なんなら怒鳴られることもしばしばで、その度に体を縮こませていた



…と、いうより




「最近、お父さんが中々帰ってこないんですよね…。休日もほぼどこかに出かけて帰ってこないし」




そう、お父さんが家にいる時間が減った
前までは夜7時には帰ってきていて、休日は部屋でゴロゴロ読書したりゲームをしたり…といった感じだったのに



ここ数ヶ月の間は、帰宅時間が0時を過ぎるのもざらにあって、土日もどこかに出かけて夜まで帰ってこない



どこに行っているのか、なんてとても恐ろしくて聞けないが。




「なるほどなぁ…。まぁ風俗にでも行っとんのちゃう？」

「ふうぞ……私の前でそんな事言わないで下さいよ！」




「ごめんごめん」と言って笑う鬱さん



いや、風俗ならまだ良い…いや、良くはないがまだ良い方だ



家に帰ってこない理由が、私が居るから…だったりすると、もう耐えられない



お父さんの帰宅時間が遅くなったのは、私が「大学に行きたい」と駄々をこね始めてから。



もしそれが理由で、さらに嫌われていたりしたら…なんて思うと流石に辛すぎる
…いや、実際その理由が1番強いかもしれない




「まぁそのうち帰ってくるやろ。…あ、もう7時やん。ほらお子様は帰る時間やで」

「あ、ほんとだもうこんな時間…。ありがとうございました」

「お邪魔しましたー」




食器類を片付け、遅くならないうちに家へと急ぐ
家まで送ると言ってくれたシャオロン君を「遅くなるから」と追い返し、足早に帰路へついた

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