[d!]紫煙の感覚を知っている。 (ページ8)

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その後もしょっぴくんは沢山喋ってくれた。
正直何も話すことが無かったのでありがたかった。店員さんに注文してくれたのもありがたかった。
注文した料理が店員さんに運ばれてくる。

「美味しそう…」

カルボナーラは冷凍食品のものしか食べたことないから、すごく楽しみだ。
コーヒーも凄く良い匂いがするし、楽しみだなぁ。

「いただきます」

フォークを持ち、パスタを絡める。
くるくると回して持ち上げて、ふー、ふーと息をかけた。
口に入れると、凄く熱かった。
はふはふと懸命に熱を逃して、噛む。
…美味しい…！
冷凍食品のも美味しいんだけど、なんか違う！…そりゃそうか。
もぐもぐと食べ、飲み込んだ。

「すっごく美味しいね！」

しょっぴくんの方を見て言った時に初めて気付いた。
ぱちっと目が合って、しょっぴくんは優しげに微笑んだ。

「…そうっすね」

しょっぴくん、ずっと私のこと見てた。
カルボナーラに夢中で気付かなかったけど、しょっぴくんの料理が減ったようには見えない。
麺類食べるの下手だから、恥ずかしいなぁ。

「先輩、ほんとに美味しそうに食べますね」
「…そう？あんまり顔に出さないようにしてるんだけど…」
「そうですか？顔に大分出てますし、何より食いつきようが半端じゃないですし」
「……お恥ずかしい限りです…」

しょっぴくんはまだ温かい料理を食べ始めた。