Dream story.035 ページ38
──ボコボコ……ッ
(苦しい……。ここは、一体。)
うっすらと目を開けながら、両手を動かしてみる。
その度に口から、動いた腕の軌道から泡が生まれてゆく。
上手く吸おうにも、入ってくるのは重いもので。
周りは灰色で、埋まっていた。
「__たす……け、て……っ」
必死で、無我夢中に白い光を隙間隙間に迎え入れている水色の水面に手を伸ばす。
ようやく水面に指先が触れたのは、水色の部分が灰色に成り代わった時で。
開いていた視界が、閉じてしまったときで。
バシャン、と大きめの音を立てながら勢いよく空気を吸い込んだ。
それは、容量が多すぎたのか喉奥が苦しくなった結果、数回に分けて噎せてしまう。
それが止むと同時に、視界がまた開け。
朝日を反射して白く光るピンクのフローリングが見えた。
ムクリ、と上半身を起き上がらせて軽く伸びをする。
そしてベッドから出て、寝巻きからウェアに着替えた後、いつも通りの仕度をする。
__こん、こん、こん……。
その途中でドアのノック音が聞こえ、手に持っていたものを背中に隠し、ドアのほうに体の正面を向けて小さく返事をすれば。
「おはようございます、朱月さん!
実は、ご飯の後に伝えたいことがあって……」
朝一で聞きたくはなかった声が、耳を貫いた。
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作者名:ジューガ | 作成日時:2018年11月18日 13時