検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:117,377 hit

Dream story.035 ページ38

──ボコボコ……ッ



(苦しい……。ここは、一体。)


うっすらと目を開けながら、両手を動かしてみる。
その度に口から、動いた腕の軌道から泡が生まれてゆく。

上手く吸おうにも、入ってくるのは重いもので。

周りは灰色で、埋まっていた。




「__たす……け、て……っ」




必死で、無我夢中に白い光を隙間隙間に迎え入れている水色の水面に手を伸ばす。


ようやく水面に指先が触れたのは、水色の部分が灰色に成り代わった時で。
開いていた視界が、閉じてしまったときで。

バシャン、と大きめの音を立てながら勢いよく空気を吸い込んだ。
それは、容量が多すぎたのか喉奥が苦しくなった結果、数回に分けて噎せてしまう。



それが止むと同時に、視界がまた開け。
朝日を反射して白く光るピンクのフローリングが見えた。


ムクリ、と上半身を起き上がらせて軽く伸びをする。
そしてベッドから出て、寝巻きからウェアに着替えた後、いつも通りの仕度をする。


__こん、こん、こん……。

その途中でドアのノック音が聞こえ、手に持っていたものを背中に隠し、ドアのほうに体の正面を向けて小さく返事をすれば。



「おはようございます、朱月さん!
実は、ご飯の後に伝えたいことがあって……」



朝一で聞きたくはなかった声が、耳を貫いた。

Dream story.036→←Dream story.034



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
設定タグ:イナイレ , イナオリ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ジューガ | 作成日時:2018年11月18日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。