【イナズマイレブン】Hide and Seek【オリオンの刻印】 (ページ37)

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Dream story.034 ページ37

「あ、ありがとうございます……。
お二人はどうしてここに？」

基山さんに(ほぼ無理矢理)アウターを羽織らせられて、前のジッパーを上へあげる。

もう一度ふたりと向かい合ってここに来た理由を尋ねたところ、何故か灰崎君に青筋をたてられた。

「……テメェが帰ってこないから迎えに来たんだろうが」

「だからテメェとか言わないの。……大体あってるけど」

はぁ、とため息をついた基山さんがベンチに座った。
灰崎君はというと、小さく首を横に振りながら鼻を鳴らすも、基山さんの左隣に座る。

私と基山さんの間に、一人分の空席ができた。

2人から目を離し、顎を上にあげる。
──先程まで見ていた空は、変わらず真っ黒の背景をオレンジに、ところどころ赤くチコチコと照らす。

アウターに付いていたフードを頭に被せれば、小さく基山さんの微かな匂いが鼻を掠めた。

その場でスっと立ち上がると、2人に戻りましょう、と言えば彼等は小さく笑って頷く。

「ここの空は綺麗な藍色だね。都会にいると見えなくなるのが残念だなぁ」

「そうだな。……茜にこの風景撮って帰ったら見せてやろう」

「あっ、それいいね！……あーあ、カメラ持ってこれば良かったなー」

本当はそんなの意味が無い。
あの時から、いつだって空は真っ暗なのだから