【イナズマイレブン】Hide and Seek【オリオンの刻印】 (ページ32)

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Dream story.030 ページ32

「……あれ、鬼道さんこっちの部屋でしたっけ？」

「いや。……朱月と一星の後をついてきた」

曲がり角を曲がろうとすると、そこには私たちを見ていたのであろう鬼道さんが、少しだけ眉尻を下げながら私と顔を合わせた。

……あーあ、私をあんな奴と一緒にしないで欲しいんだけど！

そんな怒りは表に出さず、小さく笑い飛ばして再びおやすみなさい、といいながら横を通ろうとしたその時。

ガッシリと右腕を掴まれ、ある場所へと連行される。
足をなんとかして動かせば、そこは今回の試合を録画したビデオをみるためのミーティングルームだった。

「お前は、今回の試合で何を考えていた？」

「……まさか、私を疑ってるんですか？」

「ちがう、そうじゃない。何故お前は怪我をそんなに隠したがるのかと聞いている」

……右足と鳩尾辺りでダメージを喰らっただろう？
それに、あの光線をどうやって切り抜けたのか？

ちらりと視線を一時的に向けると、聞いてきた鬼道さんのゴーグルの奥で、紅い目が揺らいでいるように見えた。

「あの光の入り方は、テニスでサーブとかスマッシュ打ち込む時にボールを避けてくる差し込み方なんです。だから私は光に気にしないで突破することが出来ました。

それに、私の最後のあの技、私が受けたダメージの2/3を相手に返す最後の切り札なんです。だから"楽しみを奪わないで"。と言いました」

お互いにスクリーンから顔を動かさないままで言葉を交わしていると、灰崎君があとから入ってきた。

どうやら鬼道さんは他にも考えていることがあるらしく、灰崎君に問い詰められてもはぐらかしてその場を去っていった。

「お前は何か知っているのか」そう尋ねられたが、私は首を静かに横へ振った。