Dream story.002 ページ3
「さ、自己紹介といきますかねぇ。
ワタクシはこの雷門中サッカー部の監督、"趙金雲"と申します。以後お見知りおきを」
「それで、私に一体何か……?」
連れてこられたのは、校長室の隣にある会議室、というところだ。
……てっきり校長室方面に向かうのだから、転校して1週間目で何かやらかしたのかと肝が冷えた。
「さて、朱月さん。アナタをワタクシは雷門中サッカー部に入っていただきたいのですよ」
「……それは、何の為にでしょうか?」
「いえいえ。運動神経が素晴らしいという話は県を超えて聞こえていましてね」
……。
「他の部活に取られたくないという気持ちで」
「それは、建前ですか?」
言葉を遮って放った一言は、あの人の顔をポカンとさせた。
手短に、内容を暴こうとする私の悪いくせ。
それがここで良いように使えるとは思ってもいなかった。
だけど、彼は内容の本質を言うことは無く。
顔をニヤつかせながら机にリング型のものとカード、そして謎の封筒を置いて言った。
「とりあえず、アナタのライセンスとイレブンバンドの新しいものを渡しておきます。
どうかテニス部を選択、なんてことはしないようにしてくださいねェ〜
……ワタシはあなたに期待しているのですから」
最後の言葉を言い終えたその人の声のトーンは、先程までとは違って何処かゾクリと来るものがあり。
涼しいはずなのに、背中が妙に湿っていて気持ち悪かった。
一応受け取るだけ受け取り、会議室を出ることにしたのだが。
その部屋で最後に見た彼の顔は、グラウンドで見た時と同じようにニッコリと笑っていた。
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作者名:ジューガ | 作成日時:2018年11月18日 13時