目指せあの頂上へ (ページ8)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:9,230 hit

第6話ページ8

私もうダメだ、生きていけないかもしれない。

ロネ｢おーい、大丈夫？顔が死んでるけど｣

同じく教室に入ってきたロネさんが話しかけてくる。
ちなみにロネさんとレンさんは途中までは私と一緒に教室へ向かっていたが、気づいたら二人ともいなくなっていた。

てっきり別のクラスだと思っていたけど、どうやら二人も同じクラスらしい。ロネさんたちはそのまま後ろの席へ歩いていった。

なんだろう、朝からとても疲れる。放課後まで私は生きているのだろうか。

そんなことを思っていると、先生が教室に入ってきた。

先生｢これからお前らのクラスの担任になった。よろしく。｣

先生の第一印象は堅物。
そしてちょっと若い。絶対女子生徒から人気が出るタイプだ。なんとなくわかる。

先生｢ということで、入学式の前に自己紹介をしてもらう。席順にいくぞ。では窓側の席から｣

そう言われてクラスメイトはザワついたが、先生に言われてしまったので皆おどおどしながら一人ずつ自己紹介をしていく。

やがて、さっきの怖い男の子の番になった。

｢サクヤ。女。よろしく｣

一瞬クラスを沈黙が襲う。

それを破ったのはロネさんだった。

ロネ｢えええ!!女だったの!?男かと思ったー｣

……笑いながらそう言うロネさんは恐れというものを知らないのだろうか。クラスメイトはほぼ全員いろんな意味で驚いている。

それはそうだろう。

見るからに怖いサクヤさんが女とは、一体どういうサプライズだろうか。今日一驚くべき真実だった。
私は軽くパニックになりかけたが、はっと冷静になって思う。

――ロネさん大丈夫かな？
さっきの発言で、サクヤさんが怒ってないといいけど……

……と思ったのだが、彼、いや彼女は怒らずにむしろ笑って返した。

サクヤ｢よく言われる。でも気にしてないから別にいいんだけどな。｣

ロネ｢なるほどね。大変だねぇ、かっこいいのも｣

サクヤ｢……それ、褒めてんのか？｣

……

……なんでこの一瞬で仲良くなってるんだ!?

この時クラス全員がそう思ったという。