8、やめてよまりしゃす ページ8
××
廊下の窓拭きをしていると、近くの教室からぞろぞろと生徒たちが出てきた。皆、私を珍獣を見るかのような眼差しで見ている。
「なあなあ、おまえ、あのフロイドリーチに頭突きかましたんだろ？」
「俺らとタイマン張ろうぜ」
なんだこのヤンキー漫画に出てくるようなやつは……大人の女である私にはそんな不良に構ってやる時間なんてない。ガン無視して雑巾を絞れば、バケツが宙に浮かび私の頭にぶっかけられた。
「おあっーー！？」
「ああ、悪ぃ悪ぃ。手が滑っちまってさあ」
「ごめんな？ワザとじゃないから許してよ」
ポタポタ、と水滴が額を伝っていく。
女子校も男子校も同じようなもんなんだな……よく女の敵は女だと言われるが、それはたぶん違う。女の敵に女もいれば男もいる。男の敵に男もいれば女もいる。それだけの話。
「あっ、そう」
そして、そういった類の人間の嫌がらせには「反応しない」が正解だということを私は知っている。いじめっ子にとって一番つまらないことは自分たちがした嫌がらせに対して全くの反応を示さないことだ。泣いている顔が見たい。怒っている顔を見て笑いたい。精神的に追い詰められていくのを見たい。そういうリアクションを求めている。
「……つまんね」
「今日の昼飯何にする？」
私の予想通り、彼らはすぐに興味を失って去って行った。しかしまあ、変わり身の早さがえげつない。
「あーあ……これどーしよ……」
びしょ濡れになった髪とセーラー服を見下ろしながら溜め息を吐く。シンプルに弁償してほしい。つーか誰か乾かし呪文的なの使えないのかな……
「何してんのぉ？」
「ぎょぎょえーーー！！」
突如声をかけられ、私は思いっきり転んだ。
目の前の男は助け起こすどころか腹を抱えて爆笑し出す。この顔には見覚えがある。いつぞやのねちっこ男だった。
「い、いつからそこに……」
「ん〜？バケツぶっかけられてるとこから」
「そ、そこは、助けてくれても良いんじゃあないですかね……」
「オレが助けてやる義務とかねぇし」
私、こいつ嫌いだな……
普通に人として嫌いだな……
「そ、そっすね……」
こいつと会話すると一ヶ月分くらいの疲れとストレスが一気に私を襲ってくるんだよな。反応しない反応しない。すると、ねちっこ男はぐいっと私に顔を近づけて来た。そのオッドアイの瞳に、私が映る。そして一言。
「なんか臭くね？」
バケツの水頭からぶっかけられたらそうなるに決まってんだろ。
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柊あんず(プロフ) - ユノンさん» まだそこまで詳しくは言えないですが、現時点で誰よりも特別なのは間違いないです…！(これ以上はチャットになりかねないので失礼します…！) (2022年7月11日 15時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» デュースと夢主人公は恋人になりますか? (2022年7月11日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます〜！デュースくんとはたくさん絡ませていくのでお楽しみに笑 お気遣いくださり本当にありがとうございます！ (2022年7月11日 13時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 柊あんずさん» 夢主人公とデュースの絡みが見てみたいです (2022年7月11日 12時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (2022年7月11日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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