橙色の真相 一 ページ8
「白雪ー！」
授業の終わった教室で、トミが私の元へ蒼を連れてやって来た。
「今日、一緒に帰れるか？」
「あぁ……ごめん、今日は文芸部があるの」
トミはバスケ部、蒼はサッカー部。水曜日だけは運動部が休みになるのだが、文化部は水曜日にもあるのだ。
「……ていうかそもそも、俺達二人で帰れば良いだろ？ 何で真白を誘おうとするんだよ」
「えー、だって女子がいないとつまんないよ！ 男二人で帰宅なんて寂しいじゃん！！」
「俺と真白はたまに一緒に通うこともあるけど、お前だけは家が逆方向にあるからな……」
トミの家には行った事がないが、赤松さんと同じ方面のようだ。もしかして近いのかな、と思うと同時に、私はこれからやらなければならない事も思い出した。
「大木くん、今日はいるかなぁ……」
文芸部の部室がある一階に向かう途中、二年生の教室を覗いてみたが、“大木”と書かれた席は空席だった。
「やっぱり今日も来てないんだ……」
「何してるんですか？ まーちゃん先輩っ！」
私の肩をぽんと叩いてにっこり笑うのは、文芸部の新入部員で、一年生の
「大木先輩、ですよね？ やっぱり気になりますよねー。だって、あの桜の幽霊を見た人なんですからね？」
美登里ちゃんは小学生の頃から心霊が大好きで、中学校でも早速怖い話を周りに聞かせ、入学早々噂になっている。
「これは、ばっちりその体験を聞き出して、記事にしないとですね！！」
「いや、大木くんは休んでるのに、聞き出せないでしょ。美登里ちゃん、大木くんと話した事あるの？」
「ないです！ 見た事もありません！！」
じゃあ駄目じゃない、と呆れていると、部室こと図書室に着いた私達。
「あ、
二年生の速水
「白雪先輩。どうかしましたか？」
「……大木くん、今日も来てなかったね。入学式の日も、昨日――火曜日も」
大木くんとクラスは違うが、小学校が一緒だったという速水くんは、ため息をつく。
「そうなんですよね……。僕からも電話したり、メールしたりしてるんですけど、返事がなくて」「それは……やっぱり、桜の幽霊……？」
「……あいつはあんな事するような奴じゃありません。僕には言ってないけど、きっと事情があるんです」
速水くんは複雑な顔で、眼鏡の奥の目を伏せた。
ラッキーカラー
橙色
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くろーさぎ(プロフ) - 造山監督帯( ⊇･ω･⊇)~ｷﾉｺ~ﾉｺﾉｺ~さん» コメントありがとうございます！(≧∇≦) (2019年8月21日 7時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
造山監督帯( ⊇･ω･⊇)~ｷﾉｺ~ﾉｺﾉｺ~ - ((((；ﾟДﾟ))))))) (2019年8月21日 1時) (レス) id: e5491ec8cb (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - サルンラップさん» コメントありがとうございます！！咲良ちゃんは個人的にお気に入りですww閲覧ありがとうございました！！ (2019年7月29日 18時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
サルンラップ - すごい面白いです！咲良ちゃんなんか好きだなあw更新頑張ってください！ (2019年7月29日 18時) (レス) id: 306dfa2dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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