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優しき男 ページ21

スーリは目を輝かせてジェダイアをみる。


ジ「嗜み?…あの…。えと…汗」


スーリはニッコリ笑いながら続ける。



ス「ダリューン殿はこの国の中心となる方にございます。その様な方の奥方ともなればやるべき事は沢山ございます。まず、使用人の采配、財務、儀式の手配、他家とのお付き合い、それから…「待て待て!!」


ジェダイアが真っ青になりながら焦り出す。





ダ「…ジェダイア、頼むぞ。」



ジ「Σッ!」



ス「クスクス…大丈夫です。私がキッチリ仕込んで差し上げます!」



ジ「…ッ」



ギ「姫、ご覚悟を(笑)」



ダ「ジェダイア…すまぬな(笑)」




笑い声が部屋に響く中、ラジェンドラが静かに外へ出た。



ジェダイアがそれに気付く。




ジ「…ダリューン、ラジェンドラと2人で話がしたい。良いだろう?」




ジェダイアが懇願する様にダリューンを見た。
ダリューンは何かを感じとった様でしぶしぶ頷く。


ギ「姫様…」

ジ「大丈夫、話をするだけだ。」



ジェダイアはラジェンドラを追い部屋を出た。

姿が無く、従者に聞くとひとりになりたいと屋敷を出て港の方へ出て行ったらしい。








ーーーー

港に着くと、桟橋に1人座るラジェンドラを見つけた。


ジェダイアはそっと近寄り、後ろから目隠しをした。



ジ「だーれだ?」



ラ「私の愛しいジェダイアだ。」



ジ「大当り!…ふふ、懐かしいな。あの頃はよくこうやって遊んだな。」



ジェダイアはにっこり笑いながらラジェンドラの隣に腰かけた。




ラ「…あの頃が懐かしいな、ジェダイア。」


ラジェンドラが少し寂しそうに笑う。
ジェダイアは気になっていた事を切り出した。



ジ「…ラジェンドラ、芍薬のことだがあれはどういう事だ?本当の事を聞きたい。」




ラ「あれか…。そうだな、もう良いかな…あの日、そなたの園を荒らしたのはひとつ上の姉だ。俺は偶然居合わせてな、なんとか最後の1株は守ったのだが、残せばまたやられると思うてな…。」




ジ「それで持ち帰ったのか?…だがどうやって…。」





ラ「協力してくれた庭師がいてな。今も俺の庭で世話をしてくれている。」




ジ「なぜ嘘をついた…。」

ジェダイアがラジェンドラに静かに問う。
彼は少し躊躇いながら応えた。




ラ「…俺の様になって欲しくなかった。兄弟で憎しみ合うのは…結構辛うてな。…俺にやられたと思う方がまだマシだと思ったわけよ。」



ラジェンドラがニカッと笑ってみせた。

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作者名:まりの | 作成日時:2016年8月7日 19時

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