決別 ページ13
謁見の間
ジェダイアはスーリとギルマルスを連れてアルスラーンの前に跪いていた。
ア「ジェダイア、ナルサスから事情は大体きいている。」
ジ「……殿下……誠に申し訳ございませぬッ！私は裏切者にございます。殿下のお力になると誓いましたのに……私は…祖国の為に殿下を……」
ア「顔を上げて欲しい。そなたは今までよく尽くしてくれた。裏切者などと思わぬ。」
アルスラーンがジェダイアの手を取り優しく微笑んだ。
ア「それに、また戻ってくれば良いではないか。」
ナ「……そう簡単にいきますかな。おそらくジェダイア殿は一度戻ればもう二度と出国は出来ぬでしょうな。彼女程の人材を手放す訳がない。」
ア「え？そうなのか？」
ギ「…おそらく。そうなりましょう。」
ジ「……覚悟の上でございます。ただ…ギルマルスは…今殿下にとって大事な戦力、スーリは会計型として「姫！！」」
ス「姫！何を言うのです！またお一人で如何にかしようと……」
ジ「……私の我儘だ。どうか2人とも私の代わりに殿下を「ジェダイアッ！！如何いうことだッ！」
ダリューンが乗り込んできた。
最初から聞いていたようだ。
ナ「未来の旦那様の登場だな。」
ジェダイアはやや冷めた目でダリューンを見つめた。
ジ「……そなたには関係の無い話だ。」
ダ「ジェダイアッ！なぜ何も話してくれない？婚約しただろう？」
ジ「……婚約を解消する。これで話す義務は無いな。」
ダ「そなた……それで良いのか？話してもくれぬのか……俺はそんなに信用ないか？」
ジ「あぁ…」
ダ「そうか…わかった。」
ダリューンが酷く悲しそうな目をして部屋から出て行った。
ジェダイアはそれを冷たい目で見送った。
これで良かったのだと……。
ナ「……ジェダイア殿。後悔しないか？」
ジ「これでいい…殿下…出立の日が決まりましたらまた参ります。2人とも参ろう。」
3人が退出した。
アルスラーンは複雑そうな顔で3人の背中を見送った。
ア「ナルサス、如何にかならないか…これでは余りにも皆が救われない。」
ナ「……そうですね。親友の為にひと肌ぬぎますかな。」
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作者名：まりの | 作成日時：2016年8月7日 19時
