それはきっと灰色の空想

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端的に言うと、私の友人は重度の夢女だった。もう5年くらいの付き合いになる彼女だが、如何せん妄想癖が酷く、「いつかトリップできる！」「私は死んだら転生するの！」と訳の分からないことを毎日毎日飽きもせずに叫んでいた。

私は彼女が嫌いではなかった。誰にも指図されず、やりたい事を好きなようにやっている彼女を見て、いつかの自分のまた違った未来を想像したりもした。今覚えば虚しいことこの上ないが、それでも私は馬鹿げたことを幸せそうに語る彼女が〝好きだった〟

そんな彼女が死んだ。

死因は告げられなかったが、葬式に行った時彼女の首元にたくさんの花が飾られているのを見てなんとなく察した。とても安らかな、幸せな夢を見ているような顔だった。

彼女は、無事に転生できたのだろうか。神や仏を信じている訳では無いが、どうしても、心のどこかで彼女の幸せを願ってしまう。願わくば、君に神の救いがあらんことを。

私のたった1人の友人の話執筆状態：連載中