146話 私が強くならないと ページ23
今にも走り出しそうな勢いで廊下を歩くA。
目の前に、友人と楽しそうに話すセイカを見つける。
見つけた途端、Aは走り出しセイカの腕を掴んだ。
セイカ「ちょっ…何。やめてくれない？」
A『いい加減にしなよ』
セイカ「は？何のこと？そっちこそ早く離してくれない？」
A『シオナちゃん』
セイカ「っ」
A『やっぱりセイカだったんだ』
セイカ「……何？あたしが虐/めてるとでも言いたいの？あんた相手じゃあるまいし」
A『自覚あったんだ』
セイカ「っ！」
A『私を虐/めてたってことも、自分が人を虐/めてるってことも』
セイカ「は…はめたわね！！」
A『はめたって何。自分からはまりに行ったんじゃないの。自白したんだよ、今』
セイカ「う、うるさい！！何！？あたしが虐/めてるっていう証拠でもあんの！？」
A『あんたの言ってる言葉が全部証拠なんだけど』
Aは色のない目でセイカを見る。
セイカの腕を掴むAの手に段々力がこもっていく。
セイカ「い、痛…いっ！！」
先生「！ちょっと！碓井さん何やってるの！！」
その姿を、通りかかった先生が止めに入る。
Aをセイカから引き離し、慰めるようにセイカの頭を撫でる。
「大丈夫だからね」
そう言いながら。
A『……何が大丈夫なもんか。これだから大人は嫌なんだ』
2人を睨み、Aはその場から逃げた。
確かに言葉だけじゃ証拠にはならない。
だけど、言葉がいちばんの証拠なんだ。
私がシオナちゃんを守らないと。
私が強くならないと。
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作者名：ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時：2023年3月26日 10時
