【H×H】独り娘のWaltz 終焉-エピローグ-5 (ページ22)

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145話　知らない傷ページ22

そこから始まったAとシオナの「友達ごっこ」。

一緒に遊んだり、日中ずっと共に行動したりなどはなかったが、2人にはそれが心地良かった。

Aもシオナも、お互い師匠の言葉通り「敵ではない」関係を築き上げた。

築き上げたのだが。

A『シオナちゃん、その傷、何…？』

Aはシオナの変化に気が付いた。

シオナ「大丈夫！昨日ちょっと転んだだけだから」

A『…嘘言っても私には分かるんだよ』

シオナ「……」

A『昨日まではこっちの傷しかなかったのに、今日はその傷が増えてる。ううん、今日だけじゃない。ちょっと前からそう。日に日に怪我が増えてる』

シオナ「…何でもないって！私ドジだからすぐ怪我しちゃうの。そんなことよりさ！暗くなる前に帰らないと師匠さんに怒られちゃうよ？」

嘘。

あんなに毎日傷ができる筈がない。

Aは走り去っていったシオナの背中を見ながら考える。

あの傷、どれもこれも転んでできるような傷じゃない。

それに最近、周囲から自分への悪口が少なくなっていたのも気になっていた。

暫く経って皆の自分への興が冷めたのだろうと思っていたのだが。

A『っ！！』

A『セイカ…！！』