135話 見えぬ筈のもの ページ12
放課後。
Aは師匠のもとへ走った。
「念能力」について、もっとよく知る為に。
アカネ「念について…？」
A『うん、もっと知りたくなっちゃって』
アカネ「そうか……それよりA、その額の傷は？」
師匠がAの額を指す。
その傷は、紛れもなくセイカにやられた傷だ。
A『あっ…なんでもないの！ほら、早く教えて！』
アカネ「ふーん……誤魔化すような奴に、教えることなんてなにもないんだけどね」
A『わ、わわ分かった！話すから！』
焦ったAは、セイカのことを話さざるを得なくなった。
Aは師匠から向けられる目線から逃げるように視線を落とす。
A『……実はこの傷、セイカにやられたの』
アカネ「セイカ…？セイカって、Aが親友って言ってた子じゃなかったっけ」
A『そう……ね！最近セイカ、人が変わったように私のこと責めてくるの！多分、前に話したハンターのことが原因なんだけど…』
アカネ「ハンター……？あの話！やっぱり聞かれていたのか…」
A『それで私、セイカに人殺し人殺しって言われててさ…違うって言っても聞いて貰えなくて。それで！念能力のこと思い出してさ。もしかしたらセイカ、変な念能力にやられてるかも知れないって思って。それを、私がなんとかできればなって……』
アカネ「もしかしたら、ねえ……でもこの辺念使いの気配全くないんだよな」
A『えっ？何でそんなこと…もしかして、！』
アカネ「そうだよ」
師匠は懐から手の平サイズの懐中時計を取り出す。
それと同時に、師匠の体を物凄いオーラが包む。
アカネ「見えるか」
A『見え、る…！』
アカネ「常人には見えないんだけどな、普通」
そのオーラが、Aにはしっかり見えている。
これが師匠の言っていたAの「素質」なのだろう。
自分でも制御できない程の、大きな力。
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作者名：ゴンクラ命の荒川白希 | 作成日時：2023年3月26日 10時
