Only Girl from EXILE

＊ ページ34

剛典side



AKIRAさんから誘われたサシメシ。

この前のことがあったから少し気まずさはあったものの、自分がしてしまったことの責任を感じ、

ちゃんと謝らなくては、と思った。

ただ、尊敬してたAKIRAさんから何言われるか分からなくて怖い。






AK「おぅ、岩ちゃん。お疲れ」

岩「お疲れ様っす！すいません、時間無いのに…」

AK「俺が誘ってんだから何ともねぇよ、笑」








とりあえずレモンサワー、とAKIRAさんが頼んでくれて、俺はビールで乾杯。

レモンサワー、いつでも1杯目に飲まれるもんな…




そんなことを思いながら呑んでると、

飲み始めて中盤辺りで、AKIRAさんが口を開いた。









AK「…んで？岩ちゃん何かあった？」

岩「えっ、？」

AK「この前の呑みからこの前のラグパンの練習中もその顔だった」

岩「…」









AKIRAさんは凄い。

いつも俺らの不調や悩んでることにすぐ気がつく。

それくらい周りをよく見てらっしゃるんだ。

そんなAKIRAさんだから俺が悩んでることもお見通しだったみたいで。









岩「…俺、謝らなきゃなんないっす」

AK「ん？」

岩「芸名さんのこと…偏見だけでものを言ってました」

AK「まぁ、粗方そんなもんだろと思ってたわ、笑」

岩「…すいません」

AK「謝ることねぇよ。」

岩「…」

AK「…ただ。」

岩「…え、？」

AK「否定するなら。芸名を否定するなら、芸名をすべて知ってから否定してほしい。」









そう言うAKIRAさんは、しっかりと強い表情をしていた。

…けど、目の奥は儚く、切実な願いをしてる目をしていた。

きっと、誰よりAKIRAさんが芸名さんのことをわかってる。

立ち位置で言うと、AKIRAさんは芸名さんのお兄さんみたいな人なんだろう。








AK「俺達もアホじゃねぇからさ。知ってるんだよ、Aの世間からの評判なんて。だからこそ守りてぇって思うし、守らなきゃなんない」

岩「…」

AK「…あいつ、自分で自分の才能消してるんだ」

岩「…え？」

AK「昔、って言ってもここ2年前くらいの話だよ。本当にデビューして少し経ったときだったんだけどさ、」








それから聞く話は、俺も、もちろん、世間にもきっと知られてない話。

遠慮することが正しい、

日本人特有の考えが、逆に芸名さんを傷つけた。

そのせいで、芸名さんが苦しんでることも、

誰も知らないはずだ。

その話を俺にしてくれたってことは、俺はAKIRAさんから信用されてる、ということだろうか。

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