安堵、それから―�� ページ27
「………及川、君」
苦しくて、声が震えてしまった。
せめて彼が戻ってくるまでにどうにか落ち着こう、なんて席に着いた時は考えていたはずなのに。
及川君の顔を見上げると、何やら彼は驚いたような顔をして私の向かいの席…ではなく。
「ご、ごめんねAちゃん！」
「…え？」
既に私が座っていた狭いソファ席に、彼は無理矢理自分の体をねじ込み、体を密着させて来ました。
突然の事に何故こうなったのか、という疑問符は頭に浮かぶのですが、まず何処からどうすればいいのかは全く分からず。
気付けば狭い場所に無理矢理二人で座る形になってしまったが故に、私は及川君の膝の上に乗せられていました。
突然の事に驚き、戸惑っているうちに余計におかしな事になってしまったような気がするのですが、これは一体。
「あの…及川君、何を…」
「ごめんね…俺が来るの遅くなったせいで心配掛けちゃったよね…」
肩に顎を乗せられ、背後からぎゅうぎゅうとキツく抱き締められ、思わず体を強張らせてしまいました。
とりあえずどうにかして彼の膝から降りる努力はした…のですが、何分抱き締められているのと体のすぐ前にテーブルがあるお陰でどうにも出来ませんでした。
何か他の逃げ道を、と辺りを見渡すとこちらを見て笑っている人の顔を見つけて一気に顔が熱くなってしまい、いよいよ私の思考回路は完全に停止してしまいました。
…一体どうしてこんな事になってしまったのでしょう。
「ああ、やっぱり…もう温かい季節なのに手まで冷たくなっちゃって…」
「や、あ、あの…！降ろして…！」
「大丈夫大丈夫、及川さんが温めてあげるからほら」
「降ろしてくださいもう無理です！！」
人前で抱き締められた挙句、手を握られ。いよいよ私の恥ずかしさのボルテージは最高潮に達してしまいました。
彼相手には封印していたはずの敬語も飛び出し、その勢いのまま、私はソファ席から抜け出してその向かい側にある椅子の席へと避難。
そして、体温を下げる為に先程まで緊張で全く飲めなかったジュースを口の中に流し込んだのでした。
「な、な…本当に何を…！」
流し込んだジュースを飲み込んですぐ、まだ熱い顔を隠しながらやっとの思いで及川君にそう問いただすと、彼は少し不思議そうな顔をして＿＿＿
＿かと思えば、すぐにいつもの余裕が漂う表情に戻り、
「思ったより早く本調子に戻ったね？
俺としてはもうちょっとくっついてたかったんだけどなぁ…」
と、呟くのでした。
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Guilty(プロフ) - モモさん» コメントありがとうございます、キャラの把握、そして溺愛っぷりはかなりこだわって書いてますのでそう言って貰えると嬉しいです☺ (2023年2月23日 13時) (
レス) id: 4d6b8818fd (このIDを非表示/違反報告)
モモ - 及川さんの溺愛っぷりがすごいです！キャラがちゃんとつかめていて、見ててすっごく面白です！！ (2023年2月23日 13時) (レス) @page44 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 長らくお待たせしてしまいましたね😅文章の書き方はこだわっているつもりですのでそう言って頂けると嬉しいです、ありがとうございますo(_ _)o (2022年9月11日 19時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
あ - ここここ更新されてる😭ずっと待ってたんですよ！！1話1話の文の書き方好きです (2022年9月11日 18時) (レス) @page29 id: a182ab6823 (このIDを非表示/違反報告)
Guilty(プロフ) - あさん» 毎晩覗きに…！？Σ(ﾟ∀ﾟﾉ)ﾉマジですかありがとうございます、そんなに期待されていたとは…毎日更新が出来ないのが申し訳ないです、必ず近いうちにまた更新させて頂きますm(__)m (2022年8月23日 2時) (レス) id: 7dfd57a894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Guilty | 作成日時：2021年7月8日 14時
