【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ29)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:64,959 hit

129話ページ29

しかし、そのうちたしぎの刀がヴェルゴの右肩を掠ると、Aがその隙を見逃すはずもなくヴェルゴの顔面を殴った

｢まだそんな力があるとはな｣

ヴェルゴはそのままAとたしぎから距離をとって、逃げ遅れた海兵の方に狙いを定める

Aが庇うだろう、と予想してその行動に出られたのは癪だが、当然その予想通り、Aは海兵を庇うように前に出る

武装色の覇気と鉄塊で、貫通することは避けたがその衝撃は大きかった

｢私の手の届く範囲なら、守ってみせます…！｣

Aは今しがた庇った海兵も先に逃がすが、その間にたしぎがヴェルゴに髪を捕まれ床に投げられてしまう

Aとたしぎ以外の海兵は全員ヴェルゴを不審に思いつつも、手の届かないところまでは逃げた

もう、戦えるのはAしかいない

それなのに、Aがもう一度ヴェルゴに攻撃をしようとした瞬間ローに治してもらったばかりの傷口が嫌な音を立てる

動きを急に止め傷口を押さえたAの元にヴェルゴが歩み寄った

｢無理はするな、お前に死なれたら我々も困るんだ｣

竹刀を握ってAに容赦なく振り下ろそうとしたその時、遠くから走ってきた誰かがAの身体を支え、ヴェルゴの攻撃を止めた

｢大丈夫か、Aちゃん！あいつらから話は聞いたぜ…ここは俺に任せろ｣

サンジはそう言ってAの身体を優しく床に下ろした

｢…！ありがとう、ございます｣

元より足で戦うサンジがそのままヴェルゴの身体を壁に吹き飛ばした時、警報が鳴り、後ろの扉が開いた

おそらく前の扉は閉まろうとしている

壁から抜けたヴェルゴと、サンジの対戦が始まっても、毒ガスが徐々に迫ってきている

遠くから大丈夫かという海兵たちの声がたくさん聞こえたがAは血が滲み出した傷口を押さえるだけで精一杯だった

研究所に扉が開く時とはまた違う警報が響くと、アナウンスが共に聞こえる

ローがSAD製造室と呼ばれる部屋に侵入したらしい

何が危険なのかはAにはいまいちわからないままだったが、ヴェルゴはそれを聞くと慌てて別の通路へと消えていった

｢私は大丈夫です、Aさんを、｣

たしぎがなんとか起き上がってサンジに言うと、サンジはAの身体を丁寧に抱きかかえた

｢走っている時から気になってたんだが、その傷あんまり良くなさそうだ…後でチョッパーに治してもらいな｣

優しくそう声をかけるられるとAも素直に頷いた

おそらく、ローに見せたら怒られるだろうから