【ONE PIECE】またいつかお会いしましょう (ページ23)

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123話ページ23

先程まで、知りたい情報におびき寄せられる蝶のようだったAは今ではこちらから捕食しようと牙が見えているようだった

｢私のことは教えてくれるのに、私の記憶を戻すことに関しては何も触れないのですね
私の記憶が戻ることが、怖くなりましたか？特に、私とローに関わりがあると困るんですね、ローの話をあなたの前でしてしまったのは誤算でしたが…私が記憶を戻すとき、隣に彼がいることをあなた達は恐れている｣

ローと関係があるとわかった後に連れ去られ、そのローは今殺されようとしている

つまり、ローと何か関わりのあるAの記憶を、Aが思い出すことによって、ドフラミンゴは何か不都合があるのだろう

まだ、その記憶がなにかはわからないが、今までの不審な点を合わせたらそうとしか思えない

今まではAの正体も、世界政府利用しようとしていたことも、Aの記憶が思い出せればいいと思っていたドフラミンゴが、急遽多大なリスクを背負ってまでAの記憶を消しに来たのだから

｢それに、あなたはまるで、私が何も知らない哀れな女の子のようにお話していますが、私はあなた方が思っているより多くのことを知っています
シルバーズ・レイリーという方に、お話を伺ったので｣

Aの笑顔に殺意とも思しき光が宿る

ヴェルゴに初めて動揺の色が出た

｢なので、申し訳ないですがお話は断らせていただきます｣

｢そうか…お前とやり合うのは避けたかったが、仕方ない｣

一触即発と思われたその時、部屋の扉が開いて入ってきたのはシーザー・クラウンだった

その場にいた全員がシーザーの方を向く

シーザーはその場の状況をいまいち飲み込めていなかったがAと目が合うと口角を上げた

｢こんなところまで逃げられるとは、さすがは海軍中将
身体の調子はどうだ？｣

シーザーは自分の薬の効果が知りたいのだろう、おそらくヴァイオレットが言っていたドフラミンゴの部下とはこの男のことだ

Aは即座にそう理解してシーザーを睨む

本当は薬が切れたことで精神が崩壊しそうで体調も悪いが、そんなこと言っていられない

｢特に、なんともありませんよ｣

その言い方が強がりだというのはおそらく皆気づいているだろう

現に、ヴェルゴと話している時からAの顔色はよくなかった

シーザーはそんなAの態度を見て、煽り立てるように話した