第四愛:頑張りどころ ページ13
さて。と私は鞄の中に何故か入っていたチョコレートを口の中で溶かしながら考える。私のテンションが高すぎるせいか、私が美少女すぎるせいかはわからないけれど、だいぶ五・六年生の緊張を解くことはできたんじゃないだろうか!うんうん、我ながら大進歩だぞう。本当は関わりたくないけど、命には代えられないもんねっ!
『というわけで、お約束の僕だよ』
「だ、誰!?乙女の部屋に無断で入ることがどれ程の重罪だと思ってるの!?例えるなら母親が健康診断があって食べれなくて、でも絶対に食べたいからって大事に大事に残しておいたプリンを健康診断のある日に食べてしまったぐらいの罪なんだよ!?」
『それは重罪だね』
ニコリと笑っている目の前の男性は、どこか儚い印象を受ける。白い着物に長い白髪を纏めていて、目元には五芒星の書かれた紙を垂れ下げていた。全身白いせいか、どこかぼんやりとした印象を受けて___
「いやこれ輪郭がぼんやりしてるよねっ!?突然美青年が現れたと思ったら幽霊だったってオチ!?」
『どちらかというと現れたのは君の方。ここは彼岸と此岸の境目だから、僕___神様がいるの。』
ああ、そうだ。夢小説のお約束といえば、トリップさせた神様と夢主の会話である。なるほどね。
『端的に言えば君は死にかけた。僕は助けることで頭がいっぱいでね。君の体ごとコッチに飛ばしてしまったんだよね。』
「向こうでは行方不明ってこと?」
『ううん、向こうだと時間が止まってる。君を向こうに返すと動き出すけど……あの日の続きからになるから、君は向こうで死んでしまうんだよね。それ以外に時を動かす方法は、向こうから君の存在を消すしかないんだ。
残念だけどそれ以外に方法はない。
……君は、どうしたい?』
「死んじゃったら楽しむものも楽しめない……よねっ?いいよ、存在消しても。消したらママもパパも悲しまなくて済むもんね?いやあ、これは仕方ないよね!」
神様は、ひどく複雑そうに唇を噛んで「ありがとう」とひとつ言った。お礼を言うのは私の方なのに。
「あ、聞きたいことが一個あったんたけど!私って妖術使えないの?天女はみんな使えるもんじゃないの?」
『いやぁ、それがね。体ごとこっちに移すなんて無茶したからこっちでの存在固定にリソース割いちゃって君に術の回路繋げられないんだよね。あ、大丈夫大丈夫。スマホの方に繋いでるから、欲しいものあったらスマホに言ってみて。日用品レベルのものなら出てくるよ』
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小桜(プロフ) - ほんっっっとうに面白いです! 夢主ちゃんの言うことに共感しかありません。そうですよね、忍たまキャラはみんな殺戮兵器ですよね、視界に入れただけで失神してしまいそうです。夢主ちゃんってアホだけどアホじゃない(何言ってんだ?)! 続きも楽しみにしてます! (2022年3月28日 19時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - ( ・_______・ )くじら!さん» わぁ!ありがとうございます!音読して笑っていただけるの嬉し〜い!!私も音読して笑ってます!(うん?)夢主はこれからもハイスピードで駆け抜けていきます!楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年11月23日 15時) (レス) id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
( ・_______・ )くじら!(プロフ) - とても夢主ちゃんの(いい意味で)アホなところに面白くて笑っています!偶に音読して、さらに笑っています!(笑)お身体大事にして下さい:) (2021年11月12日 12時) (レス) @page26 id: 4f01b1638d (このIDを非表示/違反報告)
乃花おむ子(プロフ) - いちごもんすたーさん» ありがとうございます!ちまちま更新頑張ります! (2021年9月20日 11時) (レス) id: 3538425ae0 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもんすたー(プロフ) - 夢主さんのオタク発揮具合がめちゃくちゃ面白いです(笑)更新楽しみにしています!お体にはお気をつけて (2021年9月16日 21時) (レス) id: c5f21f47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乃花おむ子 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Omutarosan1/
作成日時:2021年9月15日 16時