初めて ページ3
……今日が、『fine』との、対決の日
渉の死とともに、『五奇人』は朽ち果てた
「…ごめん。りっちゃん、零ちゃん……私、やっぱりアイドルになりたい」
私の手で、この学院をかえたい
「……負けないよ、英智」
『！いたっ…！！朔間！！！！』
「？どうしたの？」
えぇっと…同じクラスの……？
『朔間…弟の朔間 零が大変なんだ！！！』
「……ぇ？」
「っここに零ちゃんが…！？」
『ああっ』
「っ零ちゃん！！」バンッ
……っ！？いなっ………！！！！！
ガチャッ「っ！……そういう、ことね」
……暑い
干からびそうなくらい
「……やられちゃったなぁ…」
……やばい、もうクラクラしてきた
なんでこんな暖房ガンガンなのよ……
天祥院、英智
…姑息な手しか使えないのね
「はぁ…はぁ……」
このままじゃ、間に合わない
このまま、何もせずに終わるの？
ゴンゴンゴンッ「…ぇ？」
凛月「A？！いるの？」
「！りっちゃん…！？どうしてここにっ」
凛月「……ドアから、離れてて」
「……え、まさか」
ドカァァァアアアンッ
「…うわぁお。絶対後で怒られるよ。…でも、ありがと。おかげで、行ける」
凛月「…このまま、俺と逃げようよ」
「……りっちゃ」
凛月「今から行っても間に合うか分からないし、Aももう体力ないでしょ？…勝ち目なんて」
「凛月」
凛月「！……でも」
「確かに今は…実力の半分も出さないと思うよ。でも……何もせずに後悔するよりはマシだから」
無様な『吸血姫』になってもいい
みんなの理想が崩れる？…どうでもいい
私がやりたいから、やる
「さぁ、血祭りにしよう」
結局、負けちゃったけど
…でも、みんな、私の最後の叫びを聞いてくれた
……りっちゃんと零ちゃんより何かを選んだのは初めてだったな
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作者名：Kananan | 作成日時：2018年3月7日 7時
