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『まもなく列車が到着します』

『危ないですから黄色い線の内側まで─』









元気にしてるかな、とか考えてる

その子は一体誰で今どこにいるのかとか

Aが少し声のトーンを落として独り言のようにそう口にすると

列車が到着するアナウンスが大きく響く。









「ただ覚えているのはその髪の話と」

「その子と……いっぱい遊んだこと」

「でもその子の顔とか声とか名前が思い出せない」









ガタンゴトンと大きな音を立てて

列車が駅のホームへと走ってくる

少しだけ風が吹いてAの銀色の髪を揺らす

そんなAの隣にいた彼は何か言いたげな顔をしてAを見ている。









「うわっやっぱ髪の毛結んどけばよかったかな」

「…………明太子」

「あ、ありがとうごめんほんと」









バサバサになった髪を

顔にかかった髪を、綺麗に整える。

どう?と聞けばこくんと頷き返される。









「電車乗るの何年ぶりだろう、ワクワクする」









そう言っては子供のように笑って

張り切って電車の中に入ってくA

これでも高校2年生

みんなが当たり前のように経験したことをAは今頃になって経験する。

捨てたはずの日常が今頃になって帰ってくる。









「どれくらい切ろうかな……」

「髪染めるのもいいなぁ、野薔薇ちゃんもあれ染めてるって言ってたし」









楽しそうなのが表情から

そして小さく話す声でバレバレ

初めて会った時の切なく儚げな雰囲気は今はどこにもない。









「狗巻くんはどれいいと思う?」

「すじこ?」

「私こういうの迷っちゃって」









ちょっと人が多く混雑しているが

別に不便はなかった

人が多くても自然とAは壁際に立っていた

それが誰のおかげなのかは言わなくてもわかるだろう。









「狗巻くん?」

「ツナマヨ」

「いやいや、狗巻くんが…」

「ツナツナ」









とある駅に停車すると一気に人がいなくなった

それを確認すると狗巻はAの手を掴んで

ストン、と席に座らせた。

当然Aが自分1人座ることに納得するわけがなく拗ねたような顔でじ〜っと見続ける。









「おかか」

「狗巻くんが座ればいいのに…」

「おかか」

「あ、はい静かに座ってます」









座ってると言ってもまだ納得できない

自分だけ座ってるのもそうだが

小さい子供を諭すようにおかかと言われたこともだ。

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設定キーワード:呪術廻戦 , 狗巻棘   
作品ジャンル:アニメ
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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時

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