228 ページ45
・
クルクルと回り落ちてくるクナイ
Aはそれを視界の端で確認すると
薙刀の刃先を床に突き刺し両手を自由にすると利き手ではない左手でクナイを掴み
油断してる玻穏の首に右腕をかけ、そのまま力を込めて押し倒す。
「ぐっ………!!!」
「ごめんね、私やっぱりかわいいなんて無理」
「伊達に毎日体術の訓練してないから」
右腕で思いっきり首を絞め
左手で掴んだクナイを目の前に突き出す
呪詛師は何らかの規定に違反した者を指す
殺すことが1番いい罰となるが……
色々と呪詛師の目的などを聞き出すのもありかもしれない。
「さっきの男子は肝心なことを教える前に逃げていった、貴方は吐いてね」
「さぁ吐かないと……力加減が下手くそだから殺しちゃうかもしれない」
ゾクッと鳥肌が立つほど
恐ろしい目付きで玻穏を見下ろすA
その目に光はあるが笑ってるように見えるその表情は凍りついている
笑っているようで笑えていない
喜びの笑顔と言うより狂気の笑顔。
「だ……誰が……言うもんか……!!」
「え?何?聞こえない」
「もっとはっきり喋ろよ出るだろ声」
「んぐっ…!!がはっ!!」
「ね?」
恐ろしい冷ややかな目線
顔に乱れてかかった美しい銀色の髪の毛
何を考えているのかわからない淡々とした声
これがあの鈴鹿姫と契約を結び主となった女の迫力
首を絞められキツイ状況なのにも関わらず玻穏はそう思ってしまった。
「教えるわけない…」
「私はご主人様の……願いを……叶えたい」
「夢を叶えるためなら人間だろうが動物だろうが骨も残らないくらい殺してあげるの」
「そのために貴方が必要」
なんて最悪な考えだとAはため息をついた
なんでたった1人の人間の夢のために大量の罪ない人が殺されなきゃ行けないのだろうと。
あいつらのそういう所が大嫌い。
「んなことわかるわけねぇだろ、エスパーじゃないんだし」
「なんでたった1人のよくわからない頭のイカれた野郎の夢のためにみんなが死ななきゃならない」
「そんなもん夢でもなんでもないただの"殺害"」
別に彼女の主人である彼の考えをわかろうともしない
本当に色んな吐き気がする
それぞれ正義を掲げて生きてるのだろうがこればっかりは…納得できない。
「私にとっては呪詛師の方がかわいくねーよ」

615人がお気に入り

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時