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広げた手のひらをぎゅっと握りしめると
同じように大きな魔の手が男を握りしめる
この魔の手は発動者であるAと同じ動きをするのだ。
あの時─ Aが自分の家を襲ってきた呪霊と戦った際にも鈴鹿姫がその手を使っている。
「私の術式は式神を呼ぶことだと思ってた?」
「そうだよね…まぁ…そりゃそうか」
「私も知らなかったよ、自分で自分のことが分からないんだ」
このまま落ちていけば普通の人間は死ぬ
だがAは難なく地面に着地し
上にあげた手を握りしめたまま男を睨みつける
その顔は…薄らと笑ってるようにも見えるが一体Aは何を考えているのか。
「投げろ」
最後にもう一度強く手を握りしめると
男の骨がミシミシと音を立てているのがはっきりと耳に入る
Aは勿論人を殺めたり攻撃するのは好きではないが
相手が呪詛師や罪のない人を傷つけてるのなら躊躇しない性格だ。
「(コイツ…!!術式が…2つあるのか…!?)」
「(全く異なるものだった…何故…)」
まるでゴミを投げ捨てるようにAが手を動かすと同じように
勢いよく遠くへ男を投げ飛ばす魔の手
男は建物の柱を貫通し店の窓ガラスを割り、飲食店のテーブルに直撃
人にもよるが基本的に呪力のある術師は呪力である程度防げるのでこれくらいでは死にはしない。
「貴方の斬撃かなり効いたけどさ」
「私自身じゃなく壁を攻撃して潰そうとしたり
関係の無い人を巻き込んで動揺させようとするあたり」
人差し指を下から上にクイッと上げ
薙刀を出しくるくる回しながらカツンカツンとブーツの音を鳴らし近づくA
血がボタボタと腕から流れてもその足は絶対に止めない。
「本当に私を殺すつもりできたの?」
「私を殺したいなら直接私を狙わないと殺せないよ」
「一般の人を狙えば動揺すると思ったの?逆だよ逆、私に怒りの力を与えてる」
怒りで半分我を失いかけているAは
平気でこの呪詛師の男を殺してしまう事だろう
それもきっとすぐにとどめを刺すのではなく何度も何度も痛い目に遭わせて苦しませながら殺していく。
「私1人相手に色々直接やられた方が1番効くんだよ」
「状況によるけどね」

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時