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「男ができたならからかってやろうと思って」
「なんてことを…」
「棘も割とそういうの好きだし」
「おかか」
「何言ってんだよ悪ノリ好きなくせにAが関わるとすぐ否定するよな棘」
男ができたならからかってやろうと思って
この考えがとってもパンダらしい
乙骨がいないのをいいことに真希のことをからかったり
とにかくそこらへんの男子高校生と同じかそれ以上に悪ノリが大好きなパンダ
これはそう簡単にそういう類の話をばらさない方がよさそうだ。
「んで、話戻すけどどこ行くんだ?」
「美容室とか、服屋さんとか行こうと思って」
「1人で?」
「うん、そうだけど?」
1人で行く、という話を聞いた瞬間ニヤニヤ
そしてガシッと狗巻の肩を掴み
そのままAを仲間外れにするように後ろを向いた
Aは何がなんなのかわからずただ首を傾げてそれを見ている。
「棘、悟の話聞いただろ?Aをあんまり1人で出歩かせるのはよくない」
「高菜」
「それにAは呪詛師のことをあまり知らないし」
「すじこ」
「あー…要するにだな」
男ができたならからかってやろう
その考えは反対の場合もある
つまり女ができたならからかってやろうという考えも存在するわけで
パンダは狗巻本人すらまだ自覚してるのかわからない特別な気持ちを恐らく察している。
パンダなのに。
「Aと出かけてこい」
「め、明太子…!?」
「めちゃくちゃ驚くじゃん」
「ツナマヨ…高菜…お、おかか!」
「気になって、心配で…どうしようもないんだろ?」
あまり普段は大声を出したり
驚いたりしないのに
Aのこととなると急に驚いたりかなり大きな反応を見せることから
そしてAを見る表情から全てお察し。
「そんでもって気になることがあるなら思い切って聞いてみろ、棘」
「ツナマヨ」
「俺達も出来るだけやっていくけど…ぶっちゃけた話Aの気持ちを変えられるのは」
「お前だと思うんだ、棘」
Aが転入してきてからというもの
パンダと一緒にいても、真希と一緒にいても
3人で一緒にいても
いつもキョロキョロと周りを見てはAのことを探すくらい
気にかけて、そして─
「言葉にしなくたって通じるもんは通じる」

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時