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「ありがとう狗巻くん、怪我してない?」
「しゃけ」
薙刀を肩に担ぎ制服についた埃を払う
ほんの一瞬だが全身が凍りつきそうな寒気と頭痛に襲われ動けなかったA
咄嗟に狗巻が床に押し倒してくれなかったらいくらAでも死んでいたかもしれない
それに呪言を使ったことで店内にいた人も同時に助けることが出来た。
「(また助けられた、不甲斐ない)」
「(経験の差…かな)」
もしもこれが1人でいた時に起きていたら…
そう考えると恐ろしい
そしてまだまだ自分は未熟なんだと現実を突きつけられる。
「(今ここでくよくよしてたってどうしようもない)」
「(反省は後で死ぬほどやればいい、今はまず…殺す)」
年相応の女の子らしさがあった
ほわほわとした優しい目付きから一変
真希やパンダや五条に扱かれてる時や戦闘時に見せる人を殺せそうな目付きへと変わった
完全にスイッチが入ったのだ。
「怪我人は今のところここにはいない」
「一旦外に出てすぐに相手を追いかけよう」
狗巻が頷いたのを確認すると
制服の上から着ていた上着のフードを被る
フードを被ることに特に特別な理由はないが毎回扱かれるときに言われる
人を殺せそうな目付きという言葉は当然あまりいい気はしなかった
そんな目付きをしているのなら見られたくない。
「当然だけどみんな混乱してる」
「気の所為かもしれないけど人の血の匂いがするからすぐに片付けないと」
急いで走って呪いの残穢を辿って追いかける
突然爆発するかのように壁が崩れ落ちたり窓ガラスが割れたのだ
呪いが見えない人が大半を占めるこの世の中、多くの人々は混乱するに決まっている。
「この気配……攻撃が来る」
大きな呪力が込められた何かが近づいてくるのを今度はAが先に察知した
Aが来ると言った瞬間
近くで気絶していた男性の衣服がシュルシュルと音を出しながら消えた
それも糸くずひとつ残さず綺麗に。
「そうだよ、アタリだ」
「ただ俺の術式は弱っちいから殺傷能力がイマイチなんだよなぁ」
「まぁ、硬度を上げりゃいい話だけど呪力消費が激しいからめんどくせぇ」
バッと声が聞こえた上を見ればそこには……
「鈴鹿御前はお前か?」
制服を着た男がいた

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時