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「我を守護する者よ、命を吹き返し目覚めよ」
「我命ずるものを己の命の灯火が尽きるまで果たし」
「全てを喰い尽くした後に闇を屠れ」
誰もいない非常階段に腰掛け
床に両手をつけて式神を呼び出すために小さな声で唱える
「"聖獣" 大口の真神」
「我を守護し共に戦うことを命ずる」
ズズズと音を立てながら現れたのは
狼の式神、大口の真神
Aが初めて呪いと戦った際に白虎の次となる2番目に主従関係を結んだ
風のように速く、善と悪を見極め罰を与え、人の言葉を理解する優秀な式神。
「大口の真神、ちょっとごめんね」
呼び出すなり立ち上がったAと狗巻の周りをぐるぐると回る大口の真神
狼だけど心を開いた相手や主人が信頼している人間には犬のようにすりすりと近寄ってくる
そこらへんは白虎と似たようなものだ。
「ツナマヨ?」
「呪力をちょっと弄ってるの」
「これじゃあ姿が大きすぎるから…こう…頑張って何とかする」
Aが呼び出す式神はAの呪力を元に姿が形成される
そのため主であるAがなんとか式神に流れる呪力を調整すれば大きな式神も小さくしたり
反対に小さな式神をちょっとだけ大きくすることが出来る
ただこれは呪力の操作が難しく、大きくするのには当然かなりの量の呪力を消費する。
「こうやってこう…ぐぁーっ!ってやって」
「どーん!くあーっ!ふぬぬーってやれば…」
両手を合わせて目を瞑って
多分真面目に呪力を調整しているA
語彙がちょっと…いやかなりイカれているがそこはノータッチの方が本人のためになる。
本人はこれでも大真面目。
「ほら!小さくなった!」
「いくら…」
「すごいでしょこれ!五条先生と練習したの!」
しばらく苦戦していたが
10分後くらいには狗巻の腰くらいの大きさだった大口の真神が
Aの履いてるブーツと同じくらいの大きさへと変化した
このサイズなら長時間術を解かなくても呪力の消費はそんなに激しくない。
「五条先生にできない度にAはか弱いね〜多分僕がAならすぐできるよ」
「とかなんとか言われたから意地でもやってやろうって思って」
そして相変わらずA相手に大人気ない五条。

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時