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「うわぁ〜天井すっごく高いし吹き抜けだ」
大きな空色の目をキラキラと輝かせ
Aが見上げるのは大きなショッピングモールの中の天井
吹き抜けになってる天井を見上げると窓ガラスから綺麗な空が見えた。
お店を見て時間を使うのは当たり前だけれど
こうして上を見上げることに時間を使ってもいいように思える。
「ショッピングモールとかあんまり行ったことないからテンション上がる!」
美容院に来た時どころか電車に乗った時点でかなりテンションが上がってたのに
ついにショッピングモールに来ただけでこのテンションの上がりよう
今までどれだけ自由な生活をできていなかったのかAの反応でわかってしまう。
「狗巻くんはこういうとこ来るの?」
「しゃけ」
「へー!なんか意外かも…真希とかパンダも一緒なの?」
Aがそう聞くとこくんと頷き返す狗巻
テンションの上がり方とテンションがあがってるせいなのか近すぎる距離感に若干圧倒されつつある。
「どこから見よう…迷うなぁ」
「ツナツナ」
「あ、たしかに片っ端から見ていくってのもありだね」
ショッピングモールといってもただのショッピングモールなんかじゃない
付け加えるなら"大型"ショッピングモールだ。
色んなお店が所狭しと並んでいるまさに最高の空間で
きっと釘崎がいたらA以上にテンションがぶち上がってたことだろう。
「行こう!狗巻くん」
「もう吹っ切れた、五条先生からの秘密のお小遣い使っちゃうよ!」
無意識に手を取り小走りで駆けていくA
そんな彼女の後ろ姿を見ては
不意を突かれ動揺した表情を浮かべる狗巻
まだまだきっとAのその本心は知れていないけれど
ただ、現時点で思うことは……
「うーーん、どうしよう」
「今まであんまりこういう服着なかったから私の雰囲気に合うのかわからないな」
「野薔薇ちゃんか真希と一緒に来た時に見るのもありだよね」
たくさんの服屋さんを片っ端から見たり
気に入った服を手に取ったかと思えばどっちがいいのか悩んだり
美味しそうな匂いやキラキラした宝石を前についつい足を止めたり
そういったところを見ると
「すっごい綺麗…」
どこにでもいる普通の女の子に見える。

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時