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「今日は2人でデートに来たの?」
「え、デート?誰と…」
「一緒に来たあの子と」
「一緒に来た……あの子……」
少女漫画のページをまためくりながら
アイスカフェオレを飲む
頭が軽く混乱しているのかあまりピンと来ず
反応が遅れてやってくる。
「え、ち、違います!!」
「デートじゃないの?」
「違います、本当に違います…」
数秒後やっと何を言っているのか理解出来たA
危なく動きすぎてカフェオレをこぼす所だった
男子と2人きりで出かけるのは初めてで、しかもこんなことを言われたのも初めての経験
何故かそれだけで今頃になって心臓がバクバクといつもより大きな音を立て始める。
「(待って待って、そういうことなの?)」
「(私と狗巻くんって他の人から見ればそう見えるの?嘘でしょ)」
「(じゃあ…私の誘いはデートの誘いをしたようなものなの?!)」
ここに来るまでのことを思い出し大赤面状態
電車の中でのあれこれも
それどころかお姫様抱っこの件とかその他諸々
思い出しては穴に入りたくて仕方がない
今までの中で1番抹消したい記憶は─
「(初日のあれとか完全にダメなやつ!!)」
「(あ〜〜〜今更恥ずかしくなってきたほんとあの時の自分マジビンタ)」
初日の特訓で狗巻を背負い投げし
寝技をしかけ最終的には自分が押し倒されて
負けたあの時のこと
あれは第三者目線で見たら完全に事故だ。
「(いや…でも狗巻くんは何も思ってないだろうし、気にしなさそう)」
「(それにあんなこととか今日ついてきてくれたのも優しいからだし)」
ぼんやりとしたまままた少女漫画に目を向ける
そのページには男の子がヒロインに
"お前に優しくするのは好きだからに決まってんだろうが!気づけよ!"
というありがちなセリフ
そんなありがちなセリフでも今のAには衝撃的すぎた。
「(ふーん、優しくするのにも2つの理由があるんだ)」
「(その人の元からの性格と…好きな子を特別扱いするような理由)」
あの人はどっちなんだろうとか考える
そんなこと決まってるはずなのに
なぜか心がモヤッとして考え込んでしまう。
「いやいや、何考えてるんだろう」
人を好きになることなんて
自分には無縁だと信じて疑わない。

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まー(プロフ) - 亜紀さん» コメントありがとうございます…!尊敬だなんて恐れ多いです…これからも頑張ります:-) (11月29日 16時) (レス) id: 47d5979f19 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます…!私も小説を書いているのですが、ほんとに尊敬してます!更新頑張ってください! (11月28日 13時) (レス) id: ab4f96d557 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まー | 作成日時:2020年11月24日 19時