私の方がモテるけど【青葉城西】 (ページ45)

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39 心配ページ45

白福side

｢木兎～｣

兎｢雪絵？どうした～？｣

｢お昼ごはん作る時間なんだけど、
まだ佳奈子が来てないの～。木兎、
どこかで見かけなかった～？｣

昨日は朝･昼･夜、1回も遅れて来なかった
佳奈子が来ないから、みんな心配していた。

兎｢さっき、第一体育館と第二体育館の方で
すれ違ったぞ～！｣

｢そっか～ありがと～！｣

なぜか木兎が赤面してたけど、
あんまり気にせずにお礼を言って
少し急ぎ足で体育館の方に向かう。

白｢佳奈子～？いる～？｣

ｼｰﾝ…………

(あれ～？もうここにはいないのかなぁ？
……………ん？水の音…………？)

白｢あ、いた～｣

もしかして、と思って水道の方に行くと、
バシャバシャとボトルを洗っている佳奈子がいた。

『あ、雪絵。ごめんね、まだ終わらなくて』

佳奈子の足元には、まだ洗い終わっていない
ボトルが20本くらいある。

白｢あ～、もしかしなくてもコレ、
萌絵ちゃんが洗う分も入ってるよね～？｣

『うん、まぁね～。でも、タオルはもう
回収したし、後はこれ洗うだけだから、
先にお昼ごはん作り始めててくれる？』

白｢手伝わなくても大丈夫～？｣

『これくらい、黙々と手を動かしてれば
すぐに終わるよ！だから1人でも大丈夫！』

そうは言っても、合宿と普段の練習とでは
水仕事の量は全然違う。料理もするし、
ボトルを洗う回数も、合宿のときの方が
どう考えても多い。

(佳奈子の手、傷が増えてる……………)

少なくとも昨日までは、指に傷は無かったはず。

『雪絵？どうかしt………ッ！』

白｢傷、痛そう～。やっぱり私も手伝うよ～｣

考えてみたら、私やかおりは0.5校分、
佳奈子は2校分の仕事をしてるんだから、
無理してるに決まってる。

『もう、いいって言ってるのに～』

白｢まあまあ、いいからいいから～。
…………それにしても、すっごく怖い顔～｣

『あはは、気づいてたんだ』

今のはもちろん佳奈子の話じゃなくて、
ぞろぞろと食堂に向かう梟谷メンバーに隠れて
こっちを睨んでる、萌絵ちゃんのこと。

たぶん木葉とかが、｢佳奈子ちゃんカワウィ～！｣
とかなんとか言ったんだろう。

『ふふふ、女の嫉妬は怖いねぇ～♪』

(私からしたら、あの子と一緒にいても平気な
佳奈子の方が、よっぽど怖いけどね～？
………言ったら怒られるから、口には出さないけど)