甘え ページ19
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解散!の声が掛かると同時に僕は1番に事務所を出た。
人目もはばからず一目散に寮へと走った。
ガチャ
「A!!!!!」
返事は...ない。
僕はAの部屋まで階段を駆け上がった。
「A!!」
A「...来ないで」
そう言われたけどここで引き下がるわけにはいかないんだ。
「ねえ」
A「会議途中で放棄したからって怒ってるんでしょ。
迷惑掛けてごめんなさいね」
「違うよ!!!!
A...何か辛いことでもあったんでしょ?」
A「な、何言ってるの」
「何年一緒にいたと思ってんだよ!!
“辛い時は1人で抱え込んだらダメだよ” って言葉覚えてる?
僕が辛い時、いつもAがそう声を掛けて助けてくれたじゃん。
だから今度は、僕がAの力になりたい。」
A「...まこ、と」
「入るよ」ガチャ
_____ボフッ
「痛っ!!!」
ぬいぐるみを投げられた。あ、これ僕があげたウサギの...
A「バカ慎!アホ慎!」ギュ
「ちょっ」
A「来るの遅いよっ...」
珍しく僕に甘えてくるAが可愛くて仕方がない。
僕の理性は崩壊寸前だけど、必死に堪える。
「何があったの?」
聞かなきゃ良かっただなんて後悔するとは思っていなかったんだ、この時は。
A「今日、クランクインだったの。恋愛映画の」
「?!」
...知らなかった。
また、映画出るんだね。
こうしてどんどん僕の知らないAになっていくんだ。
A「元カレ、と共演するの。
私、彼には最低なことしてフって忘れようとしてた。だけど今日再会したら、いろんなことっ、思い出したの...」
元カレ、と恋愛映画で共演か...
すごいその元カレについて気になる所だけど、僕はもうこれ以上聞けない。
「...そっかそっか、大丈夫だよ」
だから僕はAの話を聞いてあげることしかできないんだ。
Aの背中をポンポンさすりながら、慰めるしかなかった。
A「まこちゃん...ありがと...」
Aが僕のことを “ まこちゃん ” と呼ぶ時、それは僕に甘えたい時。
きっと無意識だろうけどね、僕は分かってるんだ。
「A?」
A「...」
ほら、ね。
気付いた時にはAは僕の腕の中で寝ていた。
「...おやすみ、A」
僕にも限界がきたのか、そこからの意識はない。
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non(プロフ) - 回転寿しの大学芋さん» そんなこと言っていただけて嬉しいです!樹にしようかなと思っております! (2018年3月25日 20時) (レス) id: 95f9eb8caa (このIDを非表示/違反報告)
回転寿しの大学芋(プロフ) - オチはいっちゃんがいいです! 読んでてめっちゃ楽しいです!更新頑張ってください! (2018年3月24日 20時) (レス) id: 4da490f972 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - 光里さん» ああ、言い方が悪かったですね、すみません!壱馬くんの小説の書き方が苦手なんです、、キャラがよく分からなくて笑笑 (2018年3月24日 10時) (レス) id: 95f9eb8caa (このIDを非表示/違反報告)
光里(プロフ) - いっちゃん!! 壱馬くん嫌いなんですか?? (2018年3月24日 0時) (レス) id: 1ddb85e578 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - にくまんさん» 壱馬くん苦手なので樹くんにしようかな、なんて思ってます笑笑コメントありがとうございます^^ (2018年3月22日 19時) (レス) id: 95f9eb8caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:non | 作成日時:2018年3月13日 21時