おにぎり宮の店主さんに一目惚れした【宮治】 (ページ30)

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凛と落ち着いた声の正体、その方は

『北さん！こんばんは』

｢こんばんは。なんや嬉しそうやな｣

『ぐへへへへうふふ』

｢…治の連絡先ゲット出来て嬉しいみたいです｣

角名くんが代弁してくれたおかげで
北さんは納得したようで、｢良かったな｣と頭をぽんぽんしてくれた。お兄ちゃん…

北さんは角名くんの隣に座った。

角名くんは｢なんで俺真ん中なの？｣って顔しててちょっと面白い。

いつの間にかカウンター内に戻っていた宮さんを
盗み見しながらおにぎり頬張ってたら目が合ってしまった。

『…ははっ。今日もかっこいいですね』

視線送りすぎてしまったようでなんか恥ずかしい。
笑って誤魔化しとこ

｢そらどうも｣

ふわっと眩しい笑顔を私に向けてくれた宮さん。

『み、宮さんが…私に笑っ…グァッ』

｢ちょっ、Aちゃんしっかりして｣

心臓射抜かれて座ったまま後ろに倒れそうになったところを
角名くんが支えてくれた。ありがとう、君は私の恩人だ

胸いっぱいだけどご飯は食べられる。美味しいなあ本当に！

｢治、愛されとんなあ｣

北さんがお茶を啜りながら孫でも見るかのようにしみじみと言った。

『はい！宮さん私に愛されてますので是非お嫁に貰ってください』

｢せやから段階ぶっ飛びすぎや言うとんねん｣

『最近は交際0日婚なんかも流行ってますんで！
…あ、でも恋人期間もやっぱり味わいたいです』

｢勝手に話進めんといて｣

『幸せにします』

｢男前やな｣

『虫も平気です』

｢頼もしいな｣

『家事全般出来ます料理も得意です』

｢…そらええなあ｣

『よし』

｢何がよしやねん｣

『ふふふ』

はあ、と呆れたように作業をつづける宮さん。
その仕草ももう見慣れました。好きです。

今日はたくさん会話できた気がする。

お出掛け、楽しみだなあ。