幸せ家族計画！【降谷零】

35 零side ページ37

本当に仕事が捗らない。



仕事をしなきゃいけないのは、心では分かっているのに、体が言うことを聞かない。



トリプルフェイスを演じてる自分として、とても情けない光景だ。



ベルモットが見たら、らしくないわねと言って、にやりと笑うだろう。



だが、ベルモットのことはキャリア仲間以上とも、以下とも思っていない。



穂花と、双子のことが大好きだから。



風見「おつかれですか？」



零「少し、な。」



風見は、近くの自販機で買った缶コーヒーをくれた。



コーヒーの苦味が、体の細胞を起こす。



風見「らしくないです。やっぱり彼女に会いたいじゃないですか？」



零「会いたいのは、山々だけどな。」



飲みながら、パソコンを操作する。



彼女と過ごした、幸せだった日々は一体どこにいったのだろう。



不意にため息が出る。



風見「なぜ、どこで働いているのか聞かないんですか？私たちが会ったことも知ってるのに……」



零「彼女なら、自分の力で会いたいって言いそうだから。違ったら笑えるな。」



風見「え…、あの…」



零「最近迷惑ばかりかけている気がする。悪いな。」



風見「い、いえ！全然！降谷さんの方がお忙しいと思うので…」



悩んでる時間も、余裕もないんだな。



今だけは運命という言葉を信じて、前を向こうと決めた。

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す