オタクなお兄様は、実に変人です。【桃】

▼ 夢 ページ27

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「こういうときは、ウーバーさんでしょ！！」



家に帰る前にいろいろ注文しておいたらしくて、ちょうど家に着いたら届いた大量の食料たち。


さあ好きなものを食えよ！、とふふんと鼻を鳴らして仁王立ちしてる大介さんが可笑しい。



「ふふ、こんなにいっぱい食べられないよ」

「あ、なんか良いねぇ、今の」

「？」



私の隣にぴょーんと腰掛けて、チーズたっぷりのピザを持ってぱくりと咥える。



「砕けた感じっつうの？ ほらずっと敬語だったじゃん？」

「ああ。それはだって、社長だし？」



このパスタ美味しいお店のやつだ！

これを貰おうと、手を合わせて頂きますをした。



「でもそれは会社での話じゃん」

「まあ、んまっ！！」



一口口に入れた瞬間に広がる旨味に頬が落ちる。

美味しさに大介さんの話そっちのけで夢中になっていたら、ピザを一つ食べ終わって指をペロッと舐める大介さんを視界の隅に捉える。




「お願いがあんだけど、"お兄さま"って言ってくんない？」

「………ふぇ？」



次に唐揚げを摘んで口の中に放り込む大介さんを、意味が理解出来ずに見つめ返した。



「ねえ、お願いお願い？ 俺ね男兄弟ばっかだからさ憧れんのよ」

「妹、に？」

「んーにゃっ！ "お兄さま"呼びに！」



ぶんぶんと首を振った後にえっへんと鼻高々。


思わず転けそうになりながら大介さんを見ると、胸のところには妹キャラの女の子がいて、ああなるほどねって。



「ん、ん、……おにぃさま？」




首を傾げるのもオマケしておきましたがいかがでしょうか？



「ん？ あ、あのぉ？」


あれやっぱり可愛さで全然劣る私には無理があったかな。

恐る恐る大介さんの顔を覗き込めば、口元を手で隠して指先から顔全体を真っ赤にした予想外の大介さんと目が合ってしまった。




「え、あ、大介さん？」

「あー、もっかい良いですか？」

「へ？…お兄さま？」

「ぬあああああっ！きたこれーーーーー！！」



今度は顔全体を覆って床に転がってジタバタしてる。


こ、これって喜んでくれてる……よね？



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