飲酒禁止。

お説教。 ページ30

〆．



「流星、あのね？」



どう話を切り出そうかと考えていたら、意外にもAの方から話しかけてきてくれた。



「…………私、やっぱり流星がいないとダメみたい。ごめん、私の方から距離置こうって言ったのに」



「A……」



「こうやって離れてる間に、流星が他の女の子と仲良くなってたら………って、考えるだけで苦しかった」



Aはあまりやきもちやかんと思ってたから、素直に嬉しい。



「俺、Aがおらな、生きてる意味ないと思ってるから」



「い、生き……っ、そんなに？」



「当たり前やろ。Aが隣におらん人生なんかありえへん」



Aの体が震えてる。



きっと、不安にさせていた。でも。



今日は俺が、お説教するな？



「Aはあほや。俺がどんなけAのこと必要としとるか全然わかってへん。



……俺がどんなけAのこと愛してるかも、伝わってへんやんか」



「流星……」



「Aに、一生隣におってほしいねん。わかるよな？俺はそこまで考えてんの。



やのに！俺とAがちょっと離れたって知った男どもが、Aのこと狙ってるとか噂で聞いて…」



「やきもち…？」



「うるさい」



唇を尖らせたら、Aが笑った。



「私だって、流星じゃないと嫌だよ？流星がいない人生なんて考えられない」



いつだって、Aの方がドキドキさせてくる。かなわんな、この子には。



「ほんまに？」



「本当！私も、流星のこと愛してるから！」



俺に抱き着いてきて、そんなんずるい。



Aのうるうるした瞳に、俺の姿が映る。



最近Aに触れてへんかった上に、こんなん、煽ってるやんか…。



「せっかく部長らが粋な計らいで帰してくれたから……時間、たっぷりあるな？」



「へ？うん…？」



「じゃあ行動で教えたるよ、俺にとってAがどれだけ必要で大事な存在か」



「わわっ、ちょっと！」



Aを、俺の部屋のベッドへ強制連行。



その後、酔ってないAにお説教されたんは、言うまでもない。



〆．

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